がんの治療・克服へ三者連携 柏の葉に新設の民間ラボで(三井不動産ら)
[2019/6/25 千葉版]
三井不動産(東京都中央区、菰田正信社長)と国立研究開発法人国立がん研究センター(東京都中央区、中釜斉理事長)、みらかホールディングス(HD、東京都新宿区、竹内成和社長)の3者は24日、柏市柏の葉エリアで、がんの治療・克服分野で次世代医療技術・ヘルスケアサービス開発のための連携及び協力に向け、基本協定を締結し、今後の具体的な取り組み内容を協議することを明らかにした。三井不動産が同エリアに整備予定の民間ラボ「三井リンクラボ柏の葉」(仮称)を軸とすることで検討している。
3者はがん(Cancer)の治癒(Cure)と克服(Conquer)という「3C」について▽健康長寿▽環境共生▽新産業創造──という3つのまちづくりのテーマに取り組むことを通じて「スマートシティ」の構築を目指してきた同エリアで取り組むとしている。
三井不動産が同エリアに整備を計画する「三井リンクラボ柏の葉」(仮称)は柏の葉6-6-1他に位置。敷地面積は約1万8,000平方mで、2021年の入居開始を予定しているという。
3者の提携の内容は[1]「3C」を目指した研究・技術開発のインキュベーション機能やインフラ整備[2]学術機関・民間企業に対するコンサルテーション(専門家による指導)のワンストップ化[3]さまざまな学術機関や民間企業との連携の構築──の大きく3つとなり、同エリアで東病院と先端医療開発センターを運営する国立がん研究センターは、三井リンクラボに集積する学術機関・企業などに対して必要に応じ、医療現場におけるニーズの伝達や新規技術の評価などのコンサルテーションとともに、研究支援のためのアドミニストレーター(管理者)の役割を担うとした。
三井不動産はまた、最先端の研究が可能なウェットラボやクリエイティブオフィスなど、新産業を創出する「場」の整備のほか、コミュニティネットワークを生かしたイノベーションの促進とベンチャーの支援を担当。みらかHDは、各種の検査を含む医療関連サービスの開発・提供とその標準化とともに、シーズの産業化に向けたシーズマッチング機会を提供するなどとしている。
三者はそれぞれの強みを生かし、密接な連携・協力の下に各役割を担当することで、同エリアに拠点が形成され、次世代の医療技術やヘルスケアサービスを創出、これらの成果を日本全国、世界に向けて発信・拡大していくことを目指していくという。