跡地売却へ対話調査 旧市立病院 実施要領は来月4日公表(松戸市)
[2019/6/21 千葉版]
松戸市は、2017年12月の市立総合医療センターの開院に伴い、閉院となった上本郷地先の旧国保市立病院の跡地を、民間事業者に売却して活用を図る方針を固め、秋にも予定されている公募型プロポーザルの実施に先駆け、サウンディング型(対話型)市場調査を予定していることが20日までに分かった。調査の実施要領の公表は、7月4日にも予定している。地元の町内会からは、医療機関誘致の要望が出されているといい、民間事業者の意向などを聞き取った上で、公募に当たって反映させる考えだ。
JR北松戸駅の南東約0・8kmに位置している旧国保市立病院は、1967年に完成した1号館をはじめ、閉院以降も多くの建物がそのまま残されている状態となっている。
跡地についてはこれまでに、市の諮問機関である「市病院運営審議会」の答申を受け、18年8月に市が、土地と建物を一括売却する方針を表明。さらにその後、20年3月までに売却するよう努める旨を示すなどしていた。
加えて、現在開会中の市議会6月定例会でも、市議の質問に対し「当該跡地売却を病院事業の重要課題と位置付け、公平性や透明性、競争性に十分配慮することはもちろん、スピード感を持って取り組む所存」であると回答するなどしている。
来月に予定しているサウンディング型市場調査は、売却を検討するに当たり、買い主となる民間事業者が土地を活用する可能性について、先に事業者から広く意見や提案を求め、直接の対話を通じ、売却が実現できるかを把握するのが目的。
市では法人または法人のグループを対象として市場調査を実施する考えであるものの、地元から要望が出されていることを受け、一定の医療施設を整備する計画を、今後のプロポーザルによる事業者募集に当たって、条件として盛り込む方針だ。
8月上旬の参加受付と、同下旬の対話調査を計画しているという市は、計画する医療施設の規模や購入可能な額、解体などする場合はその時期や以降のスケジュールなどを聞き取りたい考えでいる。
残置している建物は、最も古くて規模の大きい1号館がRC造地下1階地上5階(塔屋2階)建て延べ1万1,479平方m、2号館がRC造地下2階地上6階(塔屋1階)建て延べ7,324平方m(1980年完成)、3号館がRC造地下2階地上4階(塔屋2階)建て延べ7,521平方m(89年完成)のほか、4号館や診療事務室、夜間小児急病センターなどがある。敷地面積は1万3,297平方m。
1号館は先の耐震診断で「所用の耐震性能を確保していない」とされており、使用には耐震補強が必要だという。