拠点病院で排水確保へ 災害時の下水道機能検討(浦安市)
[2019/6/20 千葉版]
浦安市下水道課は、市内にある大規模な2つの県指定による「災害拠点病院」について、首都直下型地震など大規模な災害に見舞われた場合に、下水道などの機能を確保するための対策の検討に着手する。非常時でも医療体制が確保できるよう、下水道の役割を検討するため、業務を7月3日に開札予定の一般競争入札で委託する考えだ。参加申し込みは今月24日から26日まで受け付け、設定された予定価格は399万円(税抜き)。
参加資格は、市の入札参加者名簿に登録がある(測量・コンサルタントの大分類を「土木関係建設コンサルタント業務」としている者)ことなどとした。履行期間は2020年2月28日までとしている。
この業務は、市内にある順天堂大学医学部附属浦安病院(富岡2-1-1)と、東京ベイ・浦安市川医療センター(当代島3-4-32)の2つの大きな病院を対象に、災害発生時の下水道機能を確保するとともに防災または減災の視点を踏まえ、非常時でも下水道機能を確保するための対策を検討、また、下水道機能が確保できなくなった場合を想定した排水機能の確保に向けた対策を検討するのが目的。
業務ではまず、最新の地域防災計画、関連計画、下水道台帳、人孔調査記録などの基礎資料と、対象施設内の埋設物や施設等の情報を収集・整理。対象2施設の抽出と、流下系統の確認対象とする医療施設よりも下流側に位置する管路施設の流下系統を把握する。
また、対象となる医療施設の公共桝や取付管の位置を確認し、下水道本管への流下系統を特定するため、現地調査も実施する。
併せて、市のストックマネジメント計画や総合地震対策、流下能力検討業務、地域防災計画などといった関連計画や各業務などで重複する施設や事業内容、進ちょくなどを把握して整理するとともに、非常時に排水処理が可能な方法を検討し、施設の配置や概略図について、施設管理者と協議した上で行動計画を作成し、想定される被害と対応方法を検討。事前に対策を講じることが可能な事項をまとめる。
これらのほか、非常時の下水道の流下機能の確保に向けて、今後の管理に向けた課題を抽出して整理することにしている。
対象となる順天堂大学医学部附属浦安病院は09年8月、東京ベイ・浦安市川医療センターは15年4月にそれぞれ県から「地域災害拠点病院」として指定されている。