道の駅を10月公告 大谷海岸/店舗施設や広場整備(気仙沼市)

[2019/6/18 宮城版]
 気仙沼市は、道の駅「大谷海岸」の再整備に向け、先月に基本計画をまとめた。海岸堤防と一体的にかさ上げされる国道45号の背後地に、延べ1200平方m程度の店舗施設や、駐車場、イベント広場などを整備する。9月補正予算で工事費を確保した後、建築と外構に分け、10月にも工事の一般競争入札を公告する予定。2021年3月までの完成を目指す。
 道の駅「大谷海岸」は大震災津波で被災したため、移転再建する。基本計画では、コンセプト・スローガンに「いつでも帰れる場所 大谷海岸~砂浜を守る想いから始まるまちづくり~」を設定。建築コンセプトには「旅行者と地元の人が行き交う海とビーチの回廊」を掲げた。
 新たな道の駅は、敷地面積が1.1ha。建物はRC造か木造で、平屋1200平方m規模を想定。回廊でつないで一体化させ、物販産直店舗、カフェテリア、本吉農林水産加工処理センター、道路情報発信コーナー、トイレなどを配置する。
 海が見えるカフェテリアには屋上休憩スペースを設けるほか、回廊の一部をアクアリウムトンネルとし、海中の映像などを投影することで、マンボウ飼育水槽の代わりにする考え。
 建物のバックヤードには、浄化槽、廃熱機器、受電設備、受水槽などを設ける。カフェテリアの前に緑地広場、国道沿いに交通広場、その後ろに駐車場を配置。駐車場は小型車80台、大型車8台分のスペースを確保する。
 基本計画の作成業務はパシフィックコンサルタンツ(東北支社・仙台市青葉区)が担当。同社は引き続き実施設計業務を請け負っており、9月末までにまとめる。工事は10月の入札公告を見込んでいるものの、交通広場は国道45号の仮設道路が解消されないと整備できないため、来年度の着工となる。
 大谷海岸の国道45号は、県が海岸防潮堤と一体的にかさ上げ整備する。工事は五洋建設(東北支店・仙台市青葉区)に発注。道の駅は45号の背後地を盛土して整備する。現在は背後地に45号のう回路を整備中で、その工事と調整しながら、市が背後地の盛土造成を進めている。
 7月中旬ごろには、45号の現道からう回路に通行が切り替わる見通し。同じころに、現在ある道の駅を45号の背後に仮移転させる。この仮移転に向けた仮設施設の整備工事は、日東工営(東北支店・仙台市青葉区)が4月から進めている。場所は、新しい道の駅の東側隣接地で、面積が4100平方m。
 新しい道の駅が完成した後は、仮設施設を撤去し、跡地に多目的広場を整備し、トイレや照明施設などを設置する。夏場は海水浴客の駐車場などに活用し、災害時は啓開活動や物資保管の拠点に使う。
 さらにそこから東側の、現在の道の駅がある向かい側に、3700平方mの敷地を確保してコミュニティ広場を設ける構想になっている。
 多目的広場とコミュニティ広場の基本設計業務や実施設計業務はアジア航測(気仙沼営業所・気仙沼市)に委託した
 道の駅「大谷海岸」の運営は本吉町産業振興公社が担っている。

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