19年度の地籍調査事業 21市町1組合54地区に4.4億円 10年間の進ちょく58.9%

[2019/6/18 栃木版]
 県内市町が実施する地籍調査の2019年度事業概要が17日までに固まった。県農村振興課によると、事業を実施するのは、宇都宮市や佐野市、小山市、芳賀町など21市町で新規には県森林組合連合会が大田原市の民有林など3地区に着手、全体では54地区となった。全地区を合わせた事業量は、地籍調査本体20.73立方m(換算面積11.40立方m)で、事業費は4億4946万円。地籍調査は第6次国土調査事業が19年度までの10カ年計画で進められており、今年度は最終年度。10年間の本県の総量は270立方mで、18年度までの実績は110.26立方m、進ちょく率は48.7%に止まっており、今年度の計画を合わせても58.9%と約41%が次期計画に盛り込まれる見通し。

 今年度に地籍調査事業を実施する市町と地区数は、宇都宮市7地区、佐野市2地区、鹿沼市2地区、日光市1地区、小山市3地区、大田原市3地区、矢板市3地区、那須塩原市2地区、さくら市2地区、那須烏山市1地区、下野市2地区、上三川町3地区、益子町3地区、茂木町1地区、市貝町1地区、芳賀町4地区、野木町2地区、塩谷町1地区、高根沢町2地区、那須町2地区、那珂川町4地区、県森林組合連合会が3地区-。

 県森林組合連合会は、県から委託され民有林における地籍の明確化を図るため、元気な森づくり県民税2期事業に位置付けられたもの。今年度から9年間で那須烏山市など9市町14エリアの2893haを調査する計画。

 着手2年目の市貝町は赤羽I地区0.60立方mが対象。4年目の鹿沼市は、事業費に1833万円を配分し、DID地区の緑町・幸町IIIとIV地区0.40立方mを調査。5年目の佐野市もDID地区を対象に植上IV・若宮上Iに加え、新規に若宮下・北茂呂を実施する。

 宇都宮市は事業費7362万円を投入し、新規3地区を含む7地区の調査を実施。パソコンに取り込みデータ処理などとして利用する数値化事業も継続して実施していく。住宅開発の旺盛な細谷など事業量の2.20立方mは、山林を主体とした那珂川町や県森連を除き、DIDを中心としており21市町で最も広い。

 数値化事業は宇都宮のほか、下野、那須烏山、芳賀、益子、那珂川の各市町が採用。磁気媒体上に定められた標準フォーマットにより、地籍図の筆界点座標値、図根点座標値、結線情報などを数値入力。地籍簿からは土地所有者、地番、地積、地目などの属性情報をコード化して入力、計算機で地籍情報の維持管理、図形処理、統計処理ができるようになる。

 矢板市は、都市計画道路わかば通り整備を円滑に実施するため、継続の扇町Iと新規には鹿島町IとIIに着手。中心市街地には公図混乱地区が多く、地籍調査を行い所有者等の明確化を図るもの。小山市は宅地0.51立方mを対象に、開発等を計画する粟宮地区を重点化し調査する。那珂川町は林地を含めた3.03haは21市町で最も広い。

 地籍調査は、10年度に第6次調査が始動。12年度から芳賀町、13年度に茂木町、14年度には益子町が再開。15年度から佐野市と野木町、16年度からは鹿沼市、そして18年度には市貝町が着手しており21市町(未着手2市町、栃木市と壬生町が15年度休止)で調査が進められている。

 20年度からの第7次調査に向け、不明土地問題に代表されるように国は地籍調査を円滑で迅速に実施できるよう、関係法令の見直しに着手。並行して18年度から国と都道府県・市町村等との調整が始まっており、19年度末には具体的な事業量が固まる見通し。

 各市町等の19年度調査地区と事業量、事業費などは次の通り。([1]調査地区数[2]調査地区名[3]本体調査量、立方m[4]事業費、▼は新規、単位・万円)
▽宇都宮市=[1]7[2]芦沼、細谷II、針ヶ谷III、中岡本、針ヶ谷IV・幕田I、細谷III、細谷IV[3]2.20[4]7362
▽佐野市=[1]2[2]植上IV・若宮上I、若宮下・北茂呂[3]0.40[4]2164
▽鹿沼市=[1]2[2]緑町・幸町III、緑町・幸町IV[3]0.25[4]1833.2
▽日光市=[1]1[2]中三依IV[3]0.14[4]724
▽小山市=[1]3[2]粟宮IV、粟宮V、粟宮VI[3]0.51[4]2312
▽大田原市=[1]3[2]黒羽田町I・八塩I、下石上II・薄葉I、薄葉II[3]0.89[4]2036
▽矢板市=[1]3[2]扇町I、鹿島町I、鹿島町II[3]0.28[4]2474
▽那須塩原市=[1]2[2]島方III、下中野IV[3]1.01[4]617.2
▽さくら市=[1]2[2]馬場IV、馬場V[3]0.31[4]1112.6
▽那須烏山市=[1]1[2]大木須VIII[3]0.08[4]88.4
▽下野市=[1]2[2]上古山I・下古山I、小金井VII[3]1.08[4]2852
▽上三川町=[1]3[2]西汗V、上神主III・下神主I、坂上III[3]0.83[4]1958
▽益子町=[1]3[2]山本VII、山本VIII、山本IX[3]1.08[4]1195.4
▽茂木町=[1]1[2]深沢III[3]0.97[4]257
▽市貝町=[1]1[2]赤羽I[3]0.60[4]2251.4
▽芳賀町=[1]4[2]西水沼2、西水沼3、西高橋1、西高橋2[3]2.16[4]4164
▽野木町=[1]2[2]若林III、若林IV[3]0.23[4]1336
▽塩谷町=[1]1[2]船場II[3]0.31 [4]557.2
▽高根沢町=[1]2[2]飯室I、石末VI[3]0.73[4]858
▽那須町=[1]2[2]丸山I、廻り谷[3]0.86[4]280
▽那珂川町=[1]4[2]盛泉II、大内VII、盛泉I、大内VI[3]3.03[4]4782
▼県森林組合連合会=[1]3[2]大田原市須賀川A、那須烏山市大木須A、那須烏山市大木須B[3]2.78[4]4782

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