新庁舎は設計・施工分離 本庁舎建替基本計画検討委第5回 週休2日を推進(仙台市)

[2019/6/5 宮城版]
 仙台市は4日、市役所本庁舎建替基本計画検討委員会(委員長・増田聡東北大学教授)の第5会合で、新本庁舎の事業手法を、設計・施工分離発注方式とする考えを明らかにした。建設業の週休2日制導入推進により、工事の長期化が見込まれるため、PFI方式による遅延リスクを回避するほか、DB(デザインビルド)方式はメリットが生かされない判断した。

 市は、PFI、DBを含む3案を検討した結果、設計・施工分離発注とする方針を示した。10年後に現庁舎の耐用年数が迫るなか、建設業界では働き方改革に伴う週休2日制導入の推進が求められている。PFIは企業の創意工夫の余地が少ないほか、導入可能性調査の期間の確保で、整備スケジュールの遅延リスクを避けることが最適だと説明した。

 委員からは「分離発注が望ましい。工期や整備スケジュールは、設計プロポーザルで提案を募ることができる」「新庁舎建設の現場は、建設業界のPRの場に活かしてはどうか」のほか、「民間企業のノウハウを活かす方策をもう少し検討してみてはどうか」などの意見が上がった。

 市は、週休2日制導入推進に伴って、供用開始時期と概算整備費を見直す。供用開始は、2026年度末の当初案を1年伸ばし、27年度末から28年度当初に変更。整備費は、建築設計の業務報酬基準の制度改正に留意して再度積算を行い、配置や規模の整備パターンと合せ、7月開催の次回会合に示す。

 会合ではこのほか、報告書案をまとめるため、基本整備方針、敷地の土地利用などを議論。土地利用では、地下鉄勾当台公園と市役所地下階の接続の検討や、連担建築物設計制度で、市民広場と本庁舎を南北結ぶ歩行者の動線を確保し、緑の回廊の配置を検討する。

 緑の回廊は県庁よりの東二番丁通り沿いに配置するため、市は庁舎の1棟整備、2棟整備の両パターンでそれぞれ、東側配置案は妥当ではないとの考えを示した。

新庁舎の事業手法などが示された第5回会合

新庁舎の事業手法などが示された第5回会合

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