日光杉並木街道保存管理計画策定委開く 街道復元へ整備計画策定 保護用地活用し歩行者動線

[2019/6/1 栃木版]
 第7回第3次日光杉並木街道保存管理計画策定委員会(委員長・谷本丈夫宇都宮大学名誉教授)が31日県庁で開かれ、街道のバイパス整備により通行止めとなっている3カ所を候補地にアスファルト舗装を除去し、江戸時代往時の姿に戻す「街道復元」のモデル事業に加え、保護用地の具体的な整備内容を盛り込んだ最終素案を示した。今後は実施に向け、各関係機関の役割分担を整理し明確化。協力体制を構築していくとともに、保護対策連絡協議会の推進体制を見直していく。

 バイパス整備で通行止めとした旧道3カ所は、▽日光街道水無~大沢(大沢バイパス旧道区間約0.9km)▽例幣使街道明神~板橋(板橋バイパス旧道区間約1.0km)▽日光街道七本桜交差点~桜杉(森友バイパス旧道区間約0.4km)-。

 県は2017年度、県教委や県土整備部など関係部局等で構成する街道復元等庁内検討組織を設置し協議を始めたほか、具体化に当たっては有識者を交え街道復元等検討会議において検討を進め、モデル的な事業として整備計画を策定するとしている。

 江戸時代の往時の姿に戻すことは、現状のアスファルト舗装をはがし、並木敷きから20mについて公有地化する保護用地の活用とともに、樹根の保護という本来の目的から外れない範囲で、現状の景観保持を目的とした環境整備や歴史的背景を加味した整備を検討していくとしている。

 保護用地の活用では、▽杉並木の生育環境を改善するゾーン(土壌改良など生育環境を改善し生育を好転させる)▽杉並木の生育環境を維持するゾーン(隣接木対策や水路などを整備し現状維持に努める)▽杉並木情報発信ゾーン(杉並木の歴史的価値や保護の必要性を示す)-を設定。園路や散策路などの歩行者動線を整備し、起終点や中間点、遠景と近景のビューポイントなどとなる箇所に休憩所、史跡構成要素となる箇所には史跡として杉並木の歴史研究の材料として活用するとした。

 また、観光資源として活用するため、並木寄進碑の風化を防ぐ整備に加え、老朽化した説明板などについて構造や規格等の統一を図りながら更新を推進していく。同時に、外国人観光客への便宜を供与するため、多言語化への取組を行うとしている。

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