基本計画をシステム環境研究所 県千葉リハビリセンターの建て替え(県健康福祉部)

[2019/05/29 千葉版]
 県健康福祉部障害福祉事業課は28日、建て替えに向けた県千葉リハビリテーションセンターの施設整備に伴う基本計画の策定を委託するための企画提案競争(プロポーザル)で、システム環境研究所(東京事務所・東京都中央区)を最優秀提案者に特定した。提案があったのは同1者。県は委託上限額として1700万円以内(税込み)、履行期限は2020年3月末を設定。20年度以降の設計などに備える。基本計画に先立つ基礎調査も、18年度のプロポーザルで選定された同社が履行していた。
 基本計画では、整備の方針や機能・役割、施設規模、医療機器・システム整備の方針など基本的な機能のほか、運営方針や部門別必要室、部門目標、配置方針、病棟構成など部門別計画に加え、配置計画や施工工程、敷地利用計画、外部動線、環境・防災対策といった施設の整備計画を盛り込む方針。
 建設候補地について県はこれまでに、現在地約4万㎡に建て替える方針を決め、1期目で外来診療棟(地下1階地上13階建て延べ約2万8000㎡)を建設・移転。2期目は現施設を解体し、居住棟(6階建て延べ約1万1000㎡)を建設・移転。1期目が33カ月、2期目が24カ月、この後の解体・外構工事を含めて63カ月(5年3カ月)で渡り廊下などを含め、延べ3万9790㎡を整備する案となっている。
 現在の千葉リハビリテーションセンターは複数棟で構成されており、1985年に建てられた本館・中央棟(RC造4階建て延べ1万4326㎡)や、居住棟(RC造3階建て延べ9231㎡)などがあり、リハビリテーション医療施設のほか、肢体不自由児施設や重症心身障害児施設などが配置されており、合計規模は延べ2万7240㎡。
 現地建て替え後の延床面積は、既存の1・5倍を超えると同等の高さに制限されてしまうため、新たな建物は既存建物延べ2・7万㎡の約1・5倍となる約4万㎡が最大規模となる。
 県ではこれまでに、建て替えを見据えた同センターの再整備に当たり、機能や施設の規模などについて専門的な意見の聴取を踏まえて検討するため、18年度に施設整備検討会議を設置。同センターでは県内全域を対象に高度なリハビリサービスを提供しながら、特に隣接する袖ケ浦特別支援学校とは、登下校の際や授業の合間での通院や、迅速な緊急搬送など密接な連携体制が構築されており、今後もこの体制維持が重要であるとした。
 加えて、現センター敷地内で建て替えた場合は、袖ケ浦特別支援学校の間を結ぶ渡り廊下の設置などにより、これまでの体制維持が可能である一方、もう一つの候補地だった旧消防学校の敷地では、センターに主治医を持つ多くの自宅通学の児童・生徒が定期的に通院する際に負担が増し、緊急搬送時にも時間を要するなどの課題の解消が困難だとしている。
 旧消防学校敷地の場合はさらに、大網街道から当該敷地に通じる進入路の整備により安全性の確保や渋滞解消に向けた対策を講じる必要があるとともに、その対応に時間を要し、早期の新センター整備着手が見込めないこと、現センター敷地に建て替える場合でも、センターの運営を休止することなく、一部建設と一部解体を繰り返す「ローリング方式」による施設整備が可能だとまとめている。

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