現センター敷地に決定 県千葉リハビリセンターの建替 基本計画で反映へ(県健康福祉部)

[2019/5/25 千葉版]
 県健康福祉部障害福祉事業課は24日、建て替えが計画されている、千葉市緑区誉田町にある県千葉リハビリテーションセンターについて、現在の敷地内で建て替える方針を固めた。市原市内への移転により2018年度末で廃止された旧消防学校の跡地での移転改築との2案で検討を進めてきたが、18年度に行った調査・検討の結果を踏まえ、現敷地内での建て替えを決定、19年度はこれを踏まえて基本計画を策定し、20年度以降の設計への着手に備える。

 県では、建て替えを見据えた同センターの再整備に当たり、機能や施設の規模などについて専門的な意見の聴取を踏まえて検討するため、18年度に施設整備検討会議(議長・岡田就将県健康福祉部保健医療担当部長)を設置。議事では1981年の開設から40年近くが経過した同センターの施設と、これを取り巻く現況などについて、18年5月のプロポーザルで選定されたシステム環境研究所(東京事務所・東京都中央区)に、基礎調査業務を委託していた。

 それによると、同センターでは県内全域を対象に高度なリハビリサービスを提供しながら、特に隣接する袖ケ浦特別支援学校とは、登下校の際や授業の合間での通院や、迅速な緊急搬送など密接な連携体制が構築されており、今後もこの体制維持が重要であるとした。

 加えて、現センター敷地内で建て替えた場合は、袖ケ浦特別支援学校の間を結ぶ渡り廊下の設置などにより、これまでの体制維持が可能である一方、旧消防学校の敷地では、センターに主治医を持つ多くの自宅通学の児童・生徒が定期的に通院する際に負担が増し、緊急搬送時にも時間を要するなどの課題の解消が困難だとしている。

 旧消防学校敷地の場合はさらに、大網街道から当該敷地に通じる進入路の整備により安全性の確保や渋滞解消に向けた対策を講じる必要があるとともに、その対応に時間を要し、早期の新センター整備着手が見込めないこと、現センター敷地に建て替える場合でも、センターの運営を休止することなく、一部建設と一部解体を繰り返す「ローリング方式」による施設整備が可能だとまとめている。

 県では先月までに、決定内容を踏まえた県千葉リハビリセンターの施設整備に伴う基本計画の策定を委託するための企画提案競争(プロポーザル)を実施しており、近々にも契約候補者を選定する見通し。その基本計画では、基本機能計画としてその考え方や経営分析、必要病床数、医療機器・情報システムの整備方針などに加え、リハビリ医療施設や「愛育園」、「更生園」などの部門別必要室・数、配置方針、各部門面積・病棟構成といった部門別計画や、全体面積と配置計画、敷地利用計画、防災対策、整備のスケジュールなど施設整備計画をまとめ、設計に生かす方針だ。

 県ではこれまでの検討会議で、現在地で建て替える場合、1期目で外来診療棟(地下1階地上13階建て延べ約2万8,000平方m)を建設・移転。2期目は現施設を解体し、居住棟(6階建て延べ約1万1,000平方m)を建設・移転するプロセスとし、工期として1期目で33カ月、2期目が24カ月、この後の解体・外構工事を含めて63カ月(5年3カ月)で、渡り廊下などを含め、延べ3万9,790平方mを整備する案を示している。

 既存のセンターは複数棟で構成されており、本館・中央棟(RC造4階建て延べ1万4,326平方m)や、居住棟(RC造3階建て延べ9,231平方m)などがあり、合計規模は延べ2万7,240平方m。

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