仙台合庁A棟を改修 耐震補強へ設計プロポ 設備関係は更新(東北整備局)

[2019/5/22 宮城版]
 東北地方整備局は、仙台市青葉区本町の仙台合同庁舎A棟を大規模改修する。防災拠点として機能するように耐震補強するほか、古くなった受変電設備や空調設備などを更新する予定。21日には耐震改修設計業務の公募型プロポーザルを公告しており、6月4日まで参加表明書、7月25日まで技術提案書を受け付ける。この業務で2カ年かけて改修方法を固め、その後に3~4年かけて改修工事を進める見通し。
 仙台合庁A棟は、SRC造地下2階地上9階建て延べ2万7736平方mの規模。1965年に建てられた。庁舎内には東北農政局、仙台国税局、税務大学校仙台研修所が入居している。
 2004年に耐震診断した結果、a~dの4区分でc評価を受けている。dが安全で、cは建築基準法を満たしているものの、防災拠点としての機能を満たしていないとされる。2015年度には耐震改修検討業務を梓設計(東北事務所・仙台市宮城野区)に委託し、改修パターンを比較検討した。
 耐震方法は、免震工法か耐震工法、またはその2つの組み合わせなどが考えられている。免震の場合は免震装置の設置、耐震の場合はブレースや補強壁の設置などが想定される。設備関係は、受変電設備、自家発電設備、直流電源装置、空調設備などの更新を予定する。
 改修事業費は耐震化だけでも最低30億円程度を見込んでおり、設備更新も含めればさらに膨らむ見通し。同局が扱う東北管内の建物では、最も大きな改修事業のひとつとなる。
 耐震改修検討業務では、建物内に人がいて庁舎を使用しながら改修するという想定ではなく、単に規定の構造耐力を満たすための改修方法を検討したに過ぎない。このため、新たに耐震改修設計業務を委託し、合理的な改修方法を検討する。
 耐震改修設計業務は、建築、電気設備、機械設備の基本設計と実施設計をまとめる。履行期間は2021年2月26日まで。
 プロポの参加資格は、単体企業か設計JVで、東北地方整備局から建築関係建設コンサルタント業務の資格認定を受けていることや、一級建築士事務所の登録があることなど。
 技術提案を求める評価テーマは[1]免震構法改修案を選定する際の評価手法等[2]入居官署との効率的な合意形成をはかるための説明手法[3]本施設の用途・規模・地域性を考慮した環境負荷低減技術──について。
 設計で3次元データを用いるBIMについては、発注者指定型にはなっていないものの、受注者からの提案があれば採用する可能性が十分にある。
 改修工事は、同業務が2020年度末に完了した後、予算要求の手続きなどが必要になるため、少なくとも1年程度は空けてから発注となる見通し。
NY1123 仙台合庁A棟を改修(東北整備局:設計プロポ)

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