県18年度住宅着工統計 新設住宅4.8%減の1万2736戸 マンション伸び分譲増加の2621戸

[2019/5/21 栃木版]
 県住宅課は、2018年度(4月~19年3月)の新設住宅着工統計(建築確認申請数)をまとめ、戸数が前年度比4.8%減の1万2736戸、床面積も0.97倍の125万2200平方mとなった。県内14市のうち戸数トップが3591戸の宇都宮市、床面積の伸び率では矢板市が前年度比1.28倍の1万6503平方mでトップとなった。戸数・床面積とも伸び率が高いのは、JR宇都宮線沿線や東武鉄道沿線等となっており、戸数・床面積とも前年度を上回っているのは、鹿沼、日光、小山、大田原、矢板、那須塩原、那須烏山の7市と前年度に比べ3市増加した。雇用環境が増加基調に推移していく中で、貸家は減少したものの、マンションの伸びが手伝い、分譲が前年度比2.6%増の2621戸を記録。新設住宅着工戸数は、持ち家志向が堅調に推移し1桁減に止まった。
=4面に市町別住宅着工一覧

 利用関係別戸数では、最も多い持ち家が前年度比0.8%増の6354戸と3年連続で増加。16年度まで底堅い動きを見せていた貸家は、前年度に続き2桁減となる17.6%減の3689戸の一方で、分譲住宅は微増となった。

 16年度は総数が1万4000戸台に回復したものの、17年度は貸家に加え、給与住宅などの特殊要因が反映せず、1万4000戸台を下回り、この傾向は18年度も続いた。1998年度から過去21年間のピークは06年度の2万1457戸で、11年度に1万3096戸にまで落ち込んだ住宅戸数は、復興需要を反映した12年度の1万5328戸を除けば、ここ数年は1万5000戸の壁を破れないでいる。

 市町別で戸数を見ると、宇都宮市が群を抜いて多く、次いで小山市1625戸、栃木市1073戸、足利市995戸、佐野市765戸、那須塩原市719戸となっており、順位を含め600戸を超えたのは前年度と同じく6市に止まった。25市町全体1万2736戸における構成比は、宇都宮が28.2%を占めている。また、伸び率では小山市1.12倍、那須塩原市1.11倍などとなっている。

 町は高根沢町の288戸、次いで上三川町が270戸、壬生町223戸、野木町192戸となり、鉄道沿線や宇都宮市に隣接するなど、通勤至便な町が上位を占める構図は変わらない。11町の戸数の構成比は11.1%と前年度に比べ2.0ポイント増加、床面積では11.8%で、一戸当たりの床面積は市に比べ広くなっている。

 床面積も戸数に比例しており、宇都宮、小山、栃木がトップ3。伸び率では矢板1.28倍、那須塩原1.13倍、大田原1.12倍と県北の3市が上位を占めた。

 06年度から経年別に見ていくと、08年度までは7900~9000戸台をキープしてきた持ち家数が、09年度からは7000戸台前半となり、15年度には6243戸まで落ち込み、18年度まで6000台前半で落ち着いている。貸家数も同様の傾向が見られ、200万人へ安定して増加してきた本県の人口も、10年代に入りかげりが見えてきた。

 一方で、11年度から18年度まで2000戸台をキープしているのは分譲住宅。再開発による06年度のマンション需要の3590戸をピークに一時は1400~1700台に落ち込んだものの、地価の下落傾向を背景に上下水道や道路・公園といった社会基盤が整備され、市町等が開発した土地区画整理事業地などへの民間住宅メーカーの進出により、14年度は分譲一戸建てが2043戸、15年度2077戸、16年度2262戸、17年度も2433戸と微増で推移、10年度から最高を記録した。18年度は2309戸と微減となったものの、好調さを持続している。

 低金利優遇制度が続く銀行などを主体に、住宅購入に当たっては公的資金に比べ民間資金を活用するケースは依然として多く、14年度実績では92.8%、15年度93.1%、16年度89.2%、17年度89.5%、18年度も91.0%を占めた。公的資金の利用戸数が減少傾向で推移しているのに比べ、民間資金は安定した戸数を保っている。公的資金のうち支援機構は借入れ期間の35年間金利が変わらない「フラット35年」の導入を背景に、08年度に306戸まで落ち込んだが、10年度には858戸まで回復、18年度も734戸が活用している。

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