「チーム千葉」で開通を 圏央道期成同盟会が総会
[2019/5/21 千葉版]
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の整備促進を求める自治体などで構成する「首都圏中央連絡自動車道建設促進期成同盟会」(会長・森田健作知事)は20日、千葉市内で通常総会を開き、2018年度の事業報告や、19年度の事業計画案など3議案を審議したほか、国に対する要望文などを議決するなどした。要望では、残る24年度の大栄~松尾横芝間の開通に加え、横芝~木更津東間の4車線化などを訴えていくことなどを確認した。
議事に先立ちあいさつした森田会長は、24年度の開通が目指されている圏央道の残る大栄ジャンクション(JCT)と松尾横芝インターチェンジ(IC)間について「人と物の流れがスムーズになると経済は発展する」とした上で「チーム千葉」の結束力に言及、整備に当たる国などに対し「強いお願い」を求めていくことを強調した。
来賓からは続けて、阿井伸也県議会議長が登壇。本県の観光振興や企業活動の維持に必要不可欠な圏央道について、県民による同事業に対する理解を得ていくことが必要だとし、同会の意義を訴えていた。
要望事項は次の通り(抜粋)。
【首都圏中央連絡自動車道の整備促進に関する要望】
圏央道はアクアラインと一体となって、首都圏の各都市と成田空港などの拠点間を環状につなぎ、国際競争力の強化や国土強靭化を図るとともに、地方創生と地域経済の活性化を実現していく上で極めて重要な高速道路です。
県内の圏央道周辺地域では、観光施設への入込客数の増加や、物流施設の立地の進展など、経済に好循環をもたらすストック効果が現れております。こうした効果を県内はもとより、首都圏に広げていくためにも、圏央道の早期完成が必要不可欠であり、「人」と「モノ」の流れがより活性化することで、わが国経済のさらなる好循環に結び付くことが期待されます。
大栄・横芝間については、24年度の開通に向け、着実に事業が推進されており、圏央道の一日も早い全線開通のため、県と沿線市町が一体となって、国やNEXCO東日本に最大限支援してまいります。
暫定2車線区間である県境・大栄間については、24年度までの4車線化に向けて、事業が推進されております。一方、横芝~木更津東間については、対面交通の安全性や大規模災害時の対応、一部区間での速度低下などの課題があることから、安全で円滑な交通の確保や防災力の向上を図るためにも、早期の4車線化が必要です。
また、3月24日には、大網白里スマートICが開通しました。この開通により、観光地へのアクセス性の向上や地域産業の活性化など幅広い効果が期待されます。かずさIC(仮称)及び茂原長柄スマートICについても、企業立地の促進、物流の効率化、観光振興などに寄与することから、確実に整備していくことが求められます。
さらに、圏央道の県内区間の休憩施設は、高滝湖パーキングエリア1カ所のみであり、高速道路を安全で快適に利用するためにも休憩施設が適切に配置される必要があります。
つきましては、次の事項の実現について、特段のご配慮を賜りますよう、ここに要望いたします。
一、大栄・横芝間については、24年度の開通に向け、確実に事業を進めること
一、県境・大栄間の4車線化については、24年度までの供用に向け、確実に事業を進めること。また、横芝・木更津東間については、早期に4車線化に着手し、一日も早く完成させること
一、(仮称)かずさIC及び茂原長柄スマートICの早期整備を図ること
一、休憩施設の設置について、早期に計画の具体化を図ること
一、圏央道のストック効果を最大限発揮させるため、ICへのアクセス道路が確実に整備されるよう必要な予算を確保すること
一、長期安定的に道路整備・管理を推進するため、新たな財源を創設するとともに、20年度も道路関係予算全体を増額し、必要な予算を確保すること