思川開発 南摩ダム本体へ導水路工 19年度事業費は51.1億円
[2019/5/17 栃木版]
水資源機構思川開発建設所は、2019年度の事業概要を公表した。事業費は51億1700万円で、一般県道上久我栃木線とダム湖周辺の林道の付け替え工事の進ちょくを図るほか、南摩ダム本体に向け、準備工事を推進する。目玉は黒川・大芦川と南摩ダムを結ぶ導水路工で、発注見通しでは第1四半期に一般競争入札(WTO適用)で発注、工期に66カ月を予定した。総事業費は1850万円で、24年度末の完成を目指す。
ダム本体の準備工事は、ダムサイトの伐採、建設発生土の受入地整備、上流仮締切遮水壁工事等とし、現在施工を進めているとした。今後はダム建設地の基礎掘削を進めるとともに、ダム本体工を公告し、盛立て工から放流・管理設備の施工に移行、24年度末には試験湛水を行う計画。ダム形式は、コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダム(CFRD)。堤高が86.5m、堤体積約240万立方m、総貯水容量が約5100万立方mで計画した。
道路関係では、一般県道上久我栃木線の付替えが6.4kmのうち0.7km、付替え林道は24.4kmのうち2.7kmの完了を見込んでおり、19年度末には県道が全体の83%で延べ5.3km、林道は18%の延べ4.3kmが完了する予定。
導水路工事は、工期に5年6カ月を見込み、黒川・大芦川取水放流工や南摩注入工などを含め、完成予定は24年度。
思川開発事業は、鹿沼市上南摩町地内の一級河川南摩川に南摩ダムを建設するとともに、安定した利水量を確保するため、一級河川黒川と同大芦川、同大芦川と南摩ダムを地下トンネルの導水路で結ぶ。南摩ダムによる洪水調節は計画高水容量毎秒130立方mのうち125立方m、新規の水道用水の開発は本県と下流3県の自治体等で最大毎秒2.984立方mを補給する。
導水路の延長は黒川導水路が約2.8km(通水量最大毎秒8立方m、内径2.3m、大芦川導水路が約5.7km(同20立方m、同2.8m)で、黒川取水・放流工を鹿沼市板荷地内、大芦川取水・放流工は同大久保地内に設置する。このほか南摩機場や管理所、観測設備、通信連絡設備、警報設備等を整備する計画。
10年3月にダム本体の実施設計を完了、11年3月には仮排水トンネルと放流管敷設トンネルが完成。原石山は南摩ダム上流北側の丘陵地に決めている。