新規8カ所で調査設計 堰堤が6、急傾斜2カ所(県砂防水資源課)
[2019/5/16 栃木版]
県砂防水資源課は、2019年度砂防事業の新規箇所をまとめ、通常砂防が島田沢(鹿沼市上永野)など6カ所、急傾斜地崩壊対策事業は上神井2号(茂木町神井)など2カ所に着手する。通常砂防事業は堰堤の整備で、島田沢が2基と渓流保全工150m、18年度補正による繰越を含め、門前向沢(那須塩原市塩原)など5カ所が1基の施工を計画した。急傾斜地崩壊対策事業では、山下A(栃木市岩舟町小野寺)が待受け式擁壁工、上神井2号は待受け式防護柵工を施工する計画。今年度は砂防・急傾斜地の指定を前提に、測量調査や施設の詳細設計、島田沢では施工地の地質調査に着手する。
新規箇所のうち通常砂防の谷川下沢(那珂川町谷川)と門前向沢が18年度補正、急傾斜地2カ所を含む6カ所が当初で予算付けされた。
これらの採択箇所はいずれも下流域に、特別警戒区域(レッドゾーン)や警戒区域(イエローゾーン)に人家が立地しているほか、避難場所に指定された中学校や集会所などの緊急避難施設、避難道路の国、県・市町道が通っているなど整備の優先度が高いと判断。事業に着手することとなった。
通常砂防のうち谷川下沢は、那珂川町の一級河川盛谷川に合流する渓流。下流域には緊急輸送道路の国道461号206mに加え、人家17戸が立地する。要配慮者利用施設のグループホームえにし苑、地震時の避難場所になっている谷川体育館、公共施設では消防団詰所も立地。計画では砂防堰堤1基を施工し安全強化を図っていく。事業期間は22年度までの5年間、総事業費には1億0400万円を試算した。
塩原地内の門前向沢は、一級河川箒川に合流する支渓で、砂防堰堤1基を計画。下流域には緊急輸送道路の国道400号250mのほか、人家45戸を保全する。事業期間は22年度までの5年間、総事業費には2億円を試算した。
足利市西宮町の西宮二号沢は一級河川渡良瀬川に合流する支渓で、砂防堰堤1基の施工を計画した。下流域の保全対象は、避難場所となっている市立第一中学校と人家が70戸。事業期間は22年度までの4年間、総事業費には1億2000万円を試算している。
佐野市船越町の曲屋沢は、一級河川旗川に流れ込む支渓で、砂防堰堤1基を施工する計画。下流域には、船越北公民館や一般県道作原田沼線255mとともに、人家14戸を保全する。事業期間は23年度までの5年間、総事業費には1億1000万円を試算した。
鹿沼市上永野地内の島田沢は一級河川永野川の支渓で、砂防堰堤2基と渓流保全工150mを計画。下流域には一般県道上永野下永野線257mのほか、人家14戸を保全する。事業期間は23年度までの5年間、総事業費には4億5000万円を試算した。
日光市足尾町原地内の井戸ノ沢は一級河川渡良瀬川に合流する支渓で、砂防堰堤1基の施工を計画した。下流域には、日光市足尾原体育館や日光森林管理署餅ヶ瀬森林事務所、県営足尾発電所といった公共施設が立地しているほか、緊急輸送道路の国道122号181mに加え、人家3戸を保全する。事業期間は22年度までの4年間、総事業費には1億5000万円を試算している。
急傾斜地崩壊対策事業のうち山下Aは、市道60mと人家10戸、栃木警察署小野寺駐在所を保全するもの。工種には待受け式擁壁工180平方mを計画、事業期間は22年度までの4年間で、総事業費には1億5000万円を試算した。
上神井2号は、一級河川神井川が流れ、人家12戸と町道250mを保全する。河川と道路が近接し、施工スペースが限られることなどから工種には、待受け式防護柵工の採用を計画している。概算の施工延長は200mで、今年度に設計を行い工種を確定する見通し。事業期間は23年度までの5年間、総事業費には2億3000万円を試算している。
新規箇所は次の通り。
([1]事業概要[2]全体事業費[3]事業期間[4]19年度の事業費[5]19年度の実施内容、単位・万円)
【通常砂防事業】
▼谷川下沢(那珂川町谷川)=[1]砂防堰堤1基[2]1億0400[3]18~22年度[4]2500[5]測量調査、設計
▼門前向沢(那須塩原市塩原)=[1]砂防堰堤1基[2]2億[3]18~22年度[4]2000[5]測量調査、設計
▼西宮二号沢(足利市西宮町)=[1]砂防堰堤1基[2]1億2000[3]19~22年度[4]2500[5]測量調査、設計
▼曲屋沢(佐野市船越町)=[1]砂防堰堤1基[2]1億1000[3]19~23年度[4]2500[5]測量調査、設計
▼島田沢(鹿沼市上永野)=[1]砂防堰堤2基、渓流保全工L150m[2]4億5000[3]19~23年度[4]2500[5]地質調査、設計
▼井戸ノ沢(日光市足尾町原)=[1]砂防堰堤1基[2]1億5000[3]19~22年度[4]2500[5]測量調査、設計
【急傾斜地崩壊対策事業】
▼山下A(栃木市岩舟町小野寺)=[1]待受け式擁壁工L180m[2]1億5000[3]19~22年度[4]1500[5]測量調査、設計
▼上神井2号(茂木町神井)=[1]待受け式防護柵工L200m[2]2億3000[3]19~23年度[4]2000[5]測量調査、設計