新橋はPC3径間ポステンT桁 6月までに設計入札 下八山橋を架替え 蔵王町松川の砂防事業(県大河原土木)
[2019/5/14 宮城版]
県大河原土木事務所は、松川の火山砂防事業に伴い架け替える蔵王町の下八山橋について、本年度に詳細設計業務に着手する。第1四半期にも業務を一般競争入札で発注する見通しだ。新橋の形式はPC3径間ポステンT桁橋を候補としており、架設は流路工工事の完了を待ってから、21年以降の工事となりそうだ。
下八山橋は、蔵王町の町道下八山線の橋梁で遠刈田温泉地区を流れる松川に架けられている。県の蔵王山噴火に備えた砂防事業で整備する流路工の範囲に重なっており、町に代わって県が架け替える計画だ。既存の下八山橋は、橋長66.06m、全幅3.8mの4径間H桁橋。架設年次は1984年となっている。
架け替えに向けて、2017年に予備設計業務を千代田コンサルタント(東北支店・仙台市青葉区)に委託。新橋の架設場所や構造などの検討を進めた。予備設計によると新橋はPCポステン桁橋を採用する見通しで、橋長が90.5m、全幅5.2mで計画しており、架設の位置は、現橋より10mほど下流で検討している。
本年度に架設計画や仮設構造物などの詳細設計業務を委託し、工事に備える。県公表の発注予定によると、履行期間が約6カ月、概算業務規模1000万円以上となっている。架設工事は流路工の整備後となるものの、進捗に合わせられるよう、設計をまとめておく。
松川の火山砂防事業関連の19年度工事は、発注予定に堆積土砂撤去2件と、松川流路工1件が盛り込まれている。概要を見ると、堆積土砂撤去の1件目は、18年度の繰越工事で新松川橋付近の1万立方mの撤去を予定。概算工事規模は1000万円~1億円で、工期は9カ月を見込む。
2件目は19年度分として、八山橋上流側の200~300m付近を対象に1万5000立方mを撤去する計画。概算工事規模は1億~5億円とし、工期は約12カ月間を見ている。両工事とも第1四半期中に一般競争入札での公告を見込む。
3件目の流路工工事は、8600平方mの護岸工事となる。位置は下八山橋下流100m付近から、さらに400~500m下流区間を想定。左右の護岸を対象とする。工事規模は1億~5億円に設定。第2四半期中に一般競争での入札を想定している。現在調整中で、複数件に分割して発注する可能性もある。
松川の火山砂防事業は、全体で20基の床固工、21基の帯工、8.5kmの護岸工を進める計画だ。全体事業費は79億9000万円を見込む。15年度の着手以来、18年度までに約50億円が予算付けされた。20年度までの被害軽減率9割を目指す。