ROROバースから着手 千葉中央地区 埠頭再編を実現(県港湾課)
[2019/5/14 千葉版]
県土整備部港湾課が事務局を務める「県港湾整備促進協議会」(会長・斉藤輝弘JFEスチール専務執行役員東日本製鉄所長)の2019年度の総会と、県港湾整備振興大会が13日に千葉市内で開かれ、総会では全3議案が審議されたほか、大会では港湾・海岸の整備・振興に関する決議案が採択されるなどした。県では18年度に改訂した千葉港港湾計画に基づく千葉中央地区の再編に当たり、岸壁ではRORO船(貨物車をそのまま運ぶ船)のバースから整備に着手する方針を示すなどしている。
議事では大会の開催や国・関係機関への要望活動、会報の発行を19年度の事業計画として承認。大会では、地域を支える物流機能の充実強化と、海上交通施設の整備促進を図ることや、大規模地震・津波・高潮への対応力強化、賑わいある水際線の創出と憩いの場としての港湾緑地や海岸の整備促進、港湾・海岸施設の適正な維持管理の促進、国際バルク戦略港湾に選定された木更津港における一括大量輸送に対応した港湾施設整備の国策による推進などを求めることを決議するなどした。
葛南西部地区から南袖ケ浦地区まで続く千葉港の再編では特に、千葉中央地区で、コンテナや完成自動車、RORO、一般貨物と荷姿の異なる貨物を多く取り扱っているものの、利用岸壁や荷捌き地の配置が混在しているため非効率な荷役が発生。これを岸壁と背後用地の言った知的な利用が可能なよう機能を配置するとともに、船舶の大型化ニーズに対応できる岸壁に機能強化を図る。
県が想定する整備の手順ではまず、マイナス9mのROROバースを延長220mで整備。続いてマイナス12m・延長260mと、同・延長300mの自動車バースを整備する。
次にマイナス12m・延長230mと、マイナス14m・延長330mのコンテナバースを整備。これらに並行し、既存の港湾部分を埋め立てる土地造成を段階的に進め、その上でマイナス10m・延長180mのバルクバースを新設する。
県では千葉中央地区が抱えている課題や要請に対応するため、埠頭再編の実現が重要であり、計画の事業化に当たっては利用者に与える影響を小さくするよう努めるとともに、千葉港ポートセミナーなどをはじめとするソフト対策も実施していくとしている。
千葉中央地区では現在、完成自動車ヤードが不足し、出洲埠頭の臨時野積場への「横持ち」が発生。PCC船(自動車輸送専用船)の大型化も進み、岸壁の延長不足で隣接の一般貨物岸壁にはみ出し、PCC船着岸時は背後の一般貨物の荷役ができない状態だといい、荷主企業から大型船2隻の同時接岸に対応できる岸壁の整備と自動車ヤードの拡張が求められているとともに、コンテナについてもターミナルの取扱能力に達しており、効率化に向けた能力の向上が必要だとしている。