大和町内で風力発電 王城寺原南側の1021haに建設 アセス配慮書を縦覧(ユーラスエナジー)

[2019/5/9 宮城版]
 ユーラスエナジーホールディングス(東京都港区、稲角秀幸代表取締役)は宮城県大和町内で風力発電事業を始める計画を立て、環境アセスメントの審査を受審するための書類を宮城県に提出した。5月8日から同社のホームページなどで、環境影響評価配慮書の縦覧を始めた。同社は陸上自衛隊王城寺原演習場の南側に広がる山林内で、発電出力60メガワット(MW)級の風力発電事業を実施する方針。2024年10月ごろの着工を見込んでいる。
 ユーラスエナジーホールディングスが宮城県に提出したのは、環境アセスメントの手続きの第1段階となる環境影響評価配慮書。宮城県は7日付で同配慮書を受領した。
 同社が計画しているのは「仮称・大和風力発電事業」。事業実施想定区域は大和町升沢および吉田、種沢地区にまたがる山林約1021ha。事業実施想定区域の北側を県道147号升沢吉岡線が東西に通り、その北側に王城寺原演習場が展開している。東側には嘉太神(かだいじん)ダム、南側には泉ケ岳がある。
 区域内の南北の尾根一帯に、1基当たり2000~4000㎾を発電する風力発電機を最大20基程度設置する。これにより、発電出力は一般家庭約4万4000世帯分の電力供給量に相当する最大60MW程度を見込む。発電した電力は、東北電力に売電する。
 設置する風力発電機は、ブレード(羽根)が3枚付いた陸上設置型の機種を導入する予定。ブレードが回転した時のローター直径は約80~140mを見込んでいる。また、ハブ(支持体)の高さは約80~120mを想定し、その場合、台座からブレードの先端までの高さは最大で190mになる見込みだ。
 宮城県は環境アセスメントの審査について、6~7月ごろに宮城県環境影響評価技術審査会に同社の事業計画を諮問する予定。手続きは第1段階の環境影響評価配慮書の審査をクリアすると、続いて環境影響評価方法書、環境影響評価準備書、環境影響評価書と段階を踏んで事業計画の審査が行われる。
 すべての審査をクリアするには、通常は3~4年程度かかる。これらの審査を順当にクリアした場合、同社は2024年10月ごろに工事着手する計画を立てている。
 工事は造成や道路整備などの土木工事から取り掛かる。着工から14~15カ月程度で完了する見込み。土木工事と並行し、変電施設や送電線を設置する電気工事にも取り掛かる。電気工事には着工から26カ月程度を見込んでいる。2027年4月ごろにすべての工事が終わる見込み。その後、試運転を始め、着工から3年を過ぎた辺りで本格的な発電事業を始める。
 環境影響評価配慮書の縦覧は同社のホームページをはじめ、宮城県環境生活部や大和町役場、色麻町役場で6月7日まで行う。

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