広場など整備へ設計着手 旧八千代台東二小跡 22年度供用へ( 八千代市)
[2019/5/10 千葉版]
八千代市企画経営課は、八千代台東小学校との統合に伴い、2012年3月末で閉校となり、15年3月末で施設が閉鎖となった旧八千代台東第二小学校(八千代台東6-26-1)の跡地について19年度、その活用に向けた基本設計に着手する。業務は22日に開札予定の指名競争入札で委託する考えで、成果は年度内にまとめる予定。内部に大型のいわゆる「ハコモノ」は設けず、中央に多目的広場などを配置するゾーニングで検討しており、今後実施設計や既存校舎などの解体工事を経て、22年度の供用開始を目指す。
旧八千代台東二小の跡地の扱いについては、これまでに検討が進められていた、同地区の住民主体による「八千代台まちづくりプロジェクト」の流れを受けて設け18年度、ワークショップが6月から19年3月にかけて計5回開かれるなどし、跡地内部に配置を望む施設について検討が進められ、同年度中に基本計画としてまとめられた。市では追って公表する予定だとしている。
市は活用を検討するに当たって住民に対し、新しく建築物を建設することは市の財政上難しいとするとともに、既存の校舎や体育館の改修に当たって多額の事業費が見込まれることから解体する方針であること、暗渠構造となっている芦太川を開渠とすることは、防災の問題上難しいことなどを、前提条件として説明している。
校舎などの解体に当たっては18年度、10月の入札で相和技術研究所(東関東支社・習志野市)に実施設計を委託。解体工事は20年度の発注となる見通しで、校舎や体育館を含め、コンテナ型の防災備蓄倉庫や災害用井戸、一部の遊具を除いて撤去する計画である一方、千葉市側(東側)にある斜面樹林などは生かす考えだ。
これまでのゾーニング計画によると跡地には、災害発生時には応急仮設住宅も建設できるよう、中央には自由な活動が可能な多目的広場として約5,040平方mを充当。隣接させてテント状の屋根で覆われた約1,200平方m規模の大屋根広場を設置し、平常時はイベント時にも活用するとともに、災害時には雨を避けられる避難場所として用意する。
また、かつて農地があったという場所には約1,200平方mの農園として整備。既存の災害用井戸の近くに配置して農業用水を確保するとともに、その近くにあった「クジラプール」という施設は解体し、跡地は将来、具体的な利用方法が見つかった際の「フリースペース」とする。
一方で、かつての正門があった八千代市側(西側)には、2カ所に分散して駐車場を整備。正門部分にはかつて小学校であったことを思い出させる碑や円形状の車道(ラウンドアバウト)を設けるとともに、ドッグランも計画。これらのほか斜面樹林にはアスレチックや休憩スペース、見晴台などを計画するとともに、バーべキュー場や、学校内にあった遊具「プリン山」を残した施設とする案などが出されている。
12年4月の両校の統合後、既存の八千代台東小の校舎の改築中は、旧八千代台東二小の校舎を仮設として使用していたが、新校舎の完成後は学校施設としての使用が中止されていた。