送水ルート4案を検討 国見浄水場の移転更新(仙台市水道局)
[2019/4/26 宮城版]
仙台市水道局は、国見浄水場(青葉区国見)の移転更新案を具現化するため、新たな送水管の概略ルート4案をまとめた。移転後、国見に残る既存配水池と移転先を結ぶルートで、いずれも河川を横断する。横断箇所は水管橋かトンネルで繋ぐ。市は、ルート案の技術的な実現可能性を検討するため、調査業務を委託し、コストや計画送水量を比較してルートを選定する。
国見浄水場の更新は、中原浄水場(青葉区芋澤)に移転して統合するか、国見の近傍地で単独更新を検討する。いずれも浄水場の移転後は、国見に残る既存配水池を更新し、新浄水場と結ぶ送水管が必要になる。このため、市は4つの概略ルートをまとめた。
ルート4案は、想定経路の延長は約7kmから最大8.7km。国見の周辺は経路が短くなるが、いずれも河川1~2カ所を横断し、伏越し工は1カ所から最大3カ所。交差施設は、東北自動車道や広域水道の送水幹線、支線3号と4号、塩釜市共同の導水管、葛岡墓園などがある。
市は、概略ルートの実現可能性を検討するため、25日に経路選定調査の一般競争入札を公告した。参加は5月15日まで受け付け、6月18日に開札する。資格は市内事業者で、建設コンサルタント上水道部門の登録者。大口径の導水・水管の基本設計や調査の実績を求める。
業務では、市の概略ルート4案について、技術的に実現が可能かを調査し、最適スートを選定する。送水管の口径や、送水ポンプ設備の配置、水管橋とトンネルの概略設計を作成し、ルート別の概算工事費、概算の工期、施工上の課題と最良案を作成する。履行期限は2020年3月19日まで。
国見の移転更新に伴う調査では、15年度に基礎調査を実施。昨年度は新たな浄水場での処理方法の検討に着手し、日水コンが業務を進めている。市は各種調査結果を踏まえ、国見の更新手法を最終決定し、2020年度以降の次期水道事業基本計画に方針を示す。