交通ターミナルを検討 仙台都市圏の課題解消へ(仙台河川国道)
[2019/4/25 宮城版]
国土交通省仙台河川国道事務所は、仙台駅が交通結節点として適切な効果を発揮するように、ターミナル施設の整備を検討する。高速バスの発着場所が点在し、乗り継ぎが不便といった課題を解消するため、高速バスを中心とした新たな交通結節点のあり方を探る。まずは交通結節点の規模や候補地を抽出するため、簡易公募型プロポーザルで調査業務を委託する。24日にプロポの手続きを公告しており、5月9日まで参加申請を募る。
同事務所は2月3日に、県や仙台市、東北経済連合会、県バス協会、JR東日本とともに「仙台都市圏の将来を考えるシンポジウム」を開催。その中の意見交換で、仙台都市圏が抱える課題や求められる機能について、多くのパネリストから提案が寄せられた。
パネリストの一人である村井嘉浩知事は「高速道路をはじめとする交通インフラ整備の進展や国際観光交流の活性化などにより、東北地方のゲートウェイとして物流・交流拠点間の連携強化や交通結節機能の強化が求められている」と指摘していた。
こうした提案を踏まえ、交通結節点としての仙台駅の機能を高め、鉄道や高速バス、タクシーなどさまざまな交通機関で定時性を確保できるように、ターミナル施設の整備を検討することにした。
ターミナル施設の候補地に関しては、仙台の中心部と東部地区を結ぶ地域高規格道路として整備が計画されている「仙台東道路」のルートも考慮しながら、仙台駅周辺のインターチェンジなども含めて選定作業が進められることになりそうだ。
候補地や施設規模の検討に向け、最初に「仙台都市圏交通結節点調査検討業務」をプロポで委託する。業務内容は、交通結節点の規模と候補地、整備手法の検討や、交通結節点機能強化検討会準備会(案)の運営補助、同検討会(案)で実施すべき内容の考察など。業務の履行期間は2020年2月14日まで。
プロポの参加資格は、単体企業か設計JVで、東北地方整備局から土木建設コンサルタント業務の資格認定を受けていることなど。
プロポの技術提案書は5月30日まで受け付ける。技術提案を求める評価テーマは、仙台駅周辺の▽交通結節点において導入すべき機能を検討する際の着眼点②交通結節点整備における候補地選定と整備規模を検討する際の着眼点――となっている。