流山に新物流施設5棟 総延べ60万平方m 1棟目は来年2月起工(日本GLP)
[2019/4/24 千葉版]
多くの物流施設の開発・運営を手がける日本GLP(東京都港区、帖佐義之社長)は23日、流山市の物流施設・GLP流山II内で会見し「GLP流山プロジェクト」の「第2フェーズ」に着手すると発表した。今年3月までに全3棟が完成した「第1フェーズ」に続き、その北側に計5棟の巨大物流施設を建設する計画で、1棟目は2020年2月にも起工。5棟目の完成は23年6月を見込んでおり、全8棟で計延べ約90万平方mを稼働させる。単独ディベロッパーによるものでは、国内最大の規模になるという。
帖佐社長は会見で、県内で人口増加率がトップの流山市において、総延べ90万平方mの広大な床を舞台にGLP流山を「ソリューション・チェーン拠点」とし、物流拠点の新しい形を提供するとした。
具体的に第2フェーズは、流山市の平方地区と中野久木地区、小屋地区、北地区にまたがる約28万平方mの敷地を開発し、総延べ約60万平方mの5棟を建設するもの。建物はいずれも免震構造のPC造4階建てとし、うち4棟はダブルランプ方式とする。
建設工事は、最も北側の1棟目(延べ約15万5,000平方m)から着手。その南側の2棟目(延べ約12万4,000平方m)は20年7月、3・4棟目(延べ約6万8,000平方m、同約17万5,000平方m)は21年5月、最も南側(既存のGLP流山II側)の5棟目は22年1月にもそれぞれ起工予定となっている。
会見ではまた、大型の調整池2基の築造を並行して予定しているほか、県道松戸野田線沿いに、延長2kmにわたり幅30mほどの公開緑地も設けることも明かされた。総開発費用には第2フェーズのみで約1,250億円(用地費など含む)を見込んでいるという。館内人口を8棟で計約5,000人としており、地域の雇用対策にも貢献するとした。
第2フェーズでは、輸配送のサポートとして、トラックを受け付ける予約サービスのほか、延べ約90万平方mの規模で、圧倒的な物量が集まる同施設をハブ(軸)とした荷物とトラックのマッチングを図るため、施設内または近隣の施設とも連携し、施設の荷物をまとめて物流会社の拠点へ持ち込む「共同横持ち」トラックの運行や大手運送会社のターミナル誘致も検討する。
また、入居企業の自動化支援へ最適な設備の提案や、必要となる設備をGLPが導入し、入居企業の初期投資を抑えることを図るほか、飲料の多い夏場や引っ越しシーズン、お中元・お歳暮など短期でかつ季節商材に対応できるバッファ倉庫エリアを設けて波動に対応するともした。
会見ではこれらのほか「大規模であるがゆえに」可能になったこととして、コンビニの誘致や託児所の設置、カフェテリアなどアメニティ施設の充実を、第2フェーズでも生かすとともに、ジムなどのウェルネス施設や太陽光発電と非常発電機による非常時の電力供給などに加え、カフェテリアなど一部施設の地域住民への開放や、避難先や物資輸送拠点としての活用を自治体と検討するなど、社会インフラとして施設を活用することも検討しているとした。
帖佐社長は、第1フェーズの3棟は早期満床となり、次の5棟も全てマルチテナント型を想定しているものの、実際に1棟丸ごと借りたいと要望する企業もあることから、仕様の変更により単独テナント用のBTS型の施設にも臨機応変に対応できるようにしたいと抱負を述べていた。