国道と兼用で堤防設計 阿武隈川/柴田町内の1km区間(仙台河川国道)
[2019/4/18 宮城版]
国土交通省仙台河川国道事務所は、阿武隈川の河川改修事業に伴い、下名生地区(柴田町)で国道349号との兼用堤を整備するため、詳細設計業務を委託する。対象延長は約1kmで、349号に町道が取り付くため、平面交差点の詳細設計と一括してまとめる。17日付で同業務の一般競争入札を公告しており、5月7日まで参加申請書、同23日まで入札書を受け付け、同24日に開札する。
同業務の件名は、阿武隈川下流下名生(西小坂)地区・堤防・道路詳細設計業務。兼用堤の延長は900mで、市道との取付け部分を含めた詳細設計の対象延長が1080m。業務の履行期間は11月20日まで。
入札の参加資格は、単体企業か設計JVで、東北地方整備局から土木関係建設コンサルタント業務の資格認定を受けていることなど。総合評価で落札者を決める。
下名生地区の河川堤防は、背後に住宅や工場、学校などの公共施設があり、浸水すれば重大な被害が懸念されるため、緊急的に断面拡幅する。対象延長は、白石川との合流地点から上流側の約3・5km。堤防決壊時に想定される約6500戸の浸水被害を防ぐことが狙い。
兼用堤区間の測量設計業務は昨年度、日本工営(仙台支店・仙台市青葉区)・三協技術(仙台市青葉区)設計JVに委託した。業務内容は、築堤の修正設計、国道349号の道路予備設計、平面交差点の予備設計、地盤解析など。
河川堤防の拡幅に伴い、既存の樋管6カ所を延伸するほか、拡幅で支障となる既存の揚水機場を造り直す計画になっている。昨年度は、樋門1カ所の予備設計業務と、揚水機場の詳細設計業務を一括し、東京コンサルタンツ(東北支店・仙台市青葉区)に委託した。
樋管については、17年度に1カ所の概略設計業務を建設技術研究所(東北支社・仙台市青葉区)に委託済み。残る樋管の設計業務は別途委託する見通し。
堤防拡幅の初弾工事は昨年度、春山建設(岩沼市)に発注した。施工区間は白石川との合流地点から上流側の延長約350m。腹付盛土、のり面整形、植生工、舗装工などを進める。
本年度は、そこからさらに上流側区間の堤防拡幅工事を第1四半期に一般競争入札で発注する予定になっている。工事内容は、1万5000立方mの河川土工で、工期が約6月、概算工事規模が2億~3億円。