処理施設DBOを公告 12月に決定 予定価格は245億円(我孫子市)
[2019/4/18 千葉版]
我孫子市新クリーンセンター建設室は17日、DBO方式による新廃棄物処理施設の整備・運営事業について、総合評価一般競争入札を公告した。入札書や技術提案書は9月27日まで受け付けた上で、本年12月の事業者特定・公表を目指す。先に示された予定価格は245億7,000万円で、うち整備事業には143億6,000万円、完成後の運営事業には102億1,000万円(いずれも税抜き)を充てる。
今回の公告では併せて低入札調査基準価格も公表されており、196億5,600万円(整備114億8,800万円、運営81億6,800万円、いずれも税抜き)としている。
事業期間は、契約を締結予定の2020年3月から43年3月末までの予定。このうち建設期間には23年3月まで、運営期間は翌4月からを見込んでいる。
事業場所は中峠2264と2274で、現在のクリーンセンターの敷地内3・03ha内。このうち約0・9haが工事用地となる。
施設の規模は1日最大120t(60t×2炉)とし、24時間連続稼働で、年間最大2万7206tの処理を想定。処理方式にはストーカ式を採用する。施設は処理対象物を受け入れて焼却し、その過程で発生する熱エネルギーの有効活用を図る、高効率の発電設備を備えた「エネルギー回収型廃棄物処理施設」とし、同施設の使用電力に充てるとともに、追って市が整備を予定するリサイクルセンターにも送電する。
現在の敷地内では▽焼却施設▽粗大ごみ処理施設▽資源価値向上施設▽プラスチック中間処理施設──が稼働しており、このうち焼却施設1号炉は1973年の完成(設計・施工は日立造船)で、稼働から45年以上と老朽化が進んでいる。
現施設を稼働させながら同地で整備する必要があるため、当初の計画では第1段階として、新廃棄物処理施設の建設地となる箇所(第4ブロック)にある資源価値向上施設とその周辺を移設・撤去して整地。第2段階として同地に新廃棄物処理施設を建設する。
23年度以降となる新施設稼働後の第2期では、第3段階として第2・3ブロックの旧焼却施設を移設・撤去。第4段階ではその敷地南側(第3ブロック)に、ストックヤードを含めてリサイクルセンターを整備し、両施設稼働後の第5段階は、第1ブロックに残った施設を全て解体・撤去するスケジュールとなる。
施設の正面にはまた、堤防を挟んで利根川が流れており、氾濫した場合に浸水深が5m以上となると想定されることから、電気室など主要機器と制御盤などは2階以上に配置するとともに、地上高5mまでをRC構造とする。施設の嵩上げは行わず、ランプウェイ工法を採用する。
施設の内容については、工場棟と管理棟を合築。工場部分には必要な機能のほか運転用の居室、浴槽を配置。管理部分には事務室のほか、大小の会議室を配置し、小中学生をはじめとする見学者にも対応する。
リサイクルセンターの事業者選定は24年度の予定で、旧施設の撤去など第5段階の全工事が完了するのは26年度となる見通し。事業方針や公告などの策定に当たり市は、事業者選定支援等業務(アドバイザリ業務)を国際航業(千葉支店・千葉市美浜区)に委託している。