6,690件・3,767億円を取扱 18年度の県内公共工事動向(東日保証千葉)

[2019/4/17 千葉版]
 東日本建設業保証千葉支店(新宅隆支店長)がまとめた、前払金保証から見た県内公共工事の動向(2018年度版)が16日、明らかになった。18年度の全県での前払金保証取扱高は、件数が6,690件で、前年度比143件(2・2%)増加したものの、請負額については3,767億円で、同321億円(7・9%)の減となった(表参照)。減少は外環道など大型事業の完了が大きかった影響とみられる。

 発注者別に前払金保証取扱高をみると、国は179件・191億5,800万円で、請負額は17年度と比べて13・6%のマイナスとなった。主な要因として、国土交通省による東京湾造成工事などといった大型工事の取扱減があるという。

 独立行政法人等は、222件・795億4,700万円で、17年度比の請負額は30・4%の大幅減。日本中央競馬会(JRA)による中山競馬場のスタンドリフレッシュ工事や、国立大学法人による東京大学研究棟工事、千葉大学中央診療棟工事などが増加した一方、東日本高速道路(NEXCO東日本)の外環道関連工事や、成田国際空港(NAA)の滑走路造成工事などの取り扱いが減ったことが大きいとした。

 都県は全体で2810件・973億1,600万円で、17年度と比べて件数は193件(7・4%)、請負額も111億1,300万円(12・9%)のともに増となっている。

 全体の増額は、衛生研究所建替工事や、豊砂地区共同溝補修工事など減額した費目があるものの、消防学校・防災研修センター建築工事や、県水道局による野菊の里浄水場薬品沈殿池築造工事などの取り扱いがそれぞれ増加したことの寄与があったとした。

 市町村については全体で3,241件・1,490億7,400万円となった。17年度比で件数が46件増となったのに対し、請負額は同122億0,800万円(7・6%)減少した。

 請負額の増加した市をみると、新庁舎建設工事で48億円増となった旭市を筆頭に、船橋市のプラス43億円(南部清掃工場建設工事等)、南房総市の24億円(丸山・和田地区統合小学校建設工事等)と続いた。

 一方で減額が大きかったのは、新庁舎建設関連工事が一段落中の市川市のマイナス109億円が目立ち、このほか松戸市のマイナス96億円(新病院建設工事)、浦安市のマイナス30億円(新庁舎建設関連工事)などが大きく全体の減額に影響している。

 これら以外をみると、地方公社は63件・26億2,800万円で、特に請負額は17年度比36・3%の大幅なマイナス。県下水道公社による市川南11号幹線建設工事の減が大きい。「その他」は全体で175件・289億8,500万円となり、件数・請負額ともに17年度比で増加した。香取市東庄町病院組合や、北千葉広域水道企業団など事務組合が好調だったとしている。

全市で中間前金払スタート

 同社ではこれらのほか、18年度の「中間前払金」の保証取扱高が177件、236億1,000万円だったことも公表。17年度比で35件の増だった一方、請負額は130億6,000万円(35・6%)のマイナスだった。中間前金払制度については今月から▽勝浦市▽神崎町▽東庄町──で新たにスタート。勝浦市が採用したことで、県下37市全てで中間前金払制度が導入された。一方で未導入なのは▽栄町▽九十九里町▽芝山町▽一宮町▽睦沢町▽白子町▽長柄町▽長南町▽大多喜町▽鋸南町▽長生村──の11町村となっている。

発注者別の保証取扱高 ※金額は単位・百万円。
2018年度 2017年度 対前年度増減率(%)
件数 請負額 件数 請負額 件数 請負額
179 19158 195 22175 -8.2 -13.6
独立行政法人等 222 79547 280 114320 -20.7 -30.4
都 県 2810 97316 2617 86203 7.4 12.9
市町村 3241 149074 3195 161283 1.4 -7.6
地方公社 63 2628 90 4127 -30 -36.3
その他 175 28985 170 20785 2.9 39.5
合 計 6690 376712 6547 408895 2.2 -7.9

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.