業務代行予定者にフジタ 海老川上流の区画整理(船橋市)

[2019/4/16 千葉版]
 地権者ら198人で構成する「船橋市海老川上流地区土地区画整理組合設立準備会」(伊藤英彦会長)の総会が14日に市内で開かれ、組合施行による区画整理に伴う業務代行予定者にフジタを特定したことが説明された。5月に予定する次回の総会時に業務協定を締結する方針。正式な組合の設立認可は2021年3月になる見通しで、提案でフジタは、土地区画整理事業での豊富な実績を生かし、健康な「心」と「体」と「まち」を実現し、まちの魅力を最大に引き出すとした。

フジタが提案したまちづくりのイメージ

フジタが提案したまちづくりのイメージ

 同準備会の事務局を努める船橋市都市政策課は、海老川上流地区土地区画整理事業(仮称)の業務代行予定者を選定するためのプロポーザルを今年1月に公告。応募はフジタのほか、戸田建設と西松建設からあったが、その後西松建設が辞退、2社による提案競争となり、順位点合計の少なかった(選定委員の1位が多かった)フジタが特定されることとなったという。

 提案でフジタは、医療センターの同事業区域内への移転を軸とする同市の「ふなばしメディカルタウン構想」について、その実現へまちの付加価値と資産価値の最大化を目指したまちづくりを進めるとした。

 具体的には「医療」「健康」「賑わい」の3つの核を置き、メディカルタウンのシンボルとなる市立医療センターを中心としたゾーンとなる「医療の核」では、新駅からの徒歩アクセス性や広域からの車、緊急車両のアクセス性に考慮し、同センターを幹線道路交差点付近に配置するとともに、周辺にはクリニックモールやドラッグストアなど、地域住民が日常的に利用できる医療環境を整備するとした。

 「健康の核」は、南側住宅ゾーンからのアクセス性を考慮し、東葉高速線高架の南北両側に配置。健康維持のためのスポーツに加え、イベントなどさまざまな活動をサポート。スポーツ施設や広場に加え、高齢者福祉施設などが整備された多様な世代が交流する場とする。

 誘致が検討される新駅を中心とした「賑わいの核」は、地域住民だけでなく医療センター利用者、広域からの利用者が集うゾーンとし、入口となる新駅の南北両側に商業施設を集積して形成。都市計画道路3・4・25号線沿道商業との連続性と3・3・8号線沿い、鉄道高架下の賑わいを創出するとしている。

 これらのほか「まちの骨格軸」「まちの賑わい軸」「健康の回遊軸」として「3つの軸」も提案。「まちの骨格軸」は、新駅南側の中高層住宅ゾーンと北側低層住宅ゾーンをつなぐまちのメーン動線とし、3つの核をつなぎながら、新駅と医療センター間にペデストリアンデッキを設け、利便性と安全性の向上を検討するとした。

 また、賑わいの核と、3・4・25号線の沿道利用ゾーンを連携させる「まちの賑わい軸」、海老川や念田川沿い、住宅ゾーンとまちの中心部となる3つの核を回遊する「健康の回遊軸」を設け、ランニングやウォーキング、その他さまざまなスポーツと、医療センターが連携した健康活動をサポートするため、コースや緑道整備を実施するなどとしている。

 海老川上流地区土地区画整理組合(仮称)の施行地区は、米ケ崎町と高根町、東町、飯山満町1丁目の各一部の合計約42・5ha。これまでに事業代行予定者の撤退などもあった同地区で、メディカルタウン構想の実現へ市の支援も受け、あらためて組合設立準備会が設立された。

 同事業はメディカルタウン構想をまちづくりのコンセプトに、医療センターの移転や、新駅誘致を核とした土地区画整理事業と、地区計画などによる計画的なまちづくりが目的。医療センター用地約4haは、市による保留地の取得を予定する。

 併せて、まちづくりに不可欠という新駅の設置に伴う整備費は、市やディベロッパーによる負担を見越しており、業務代行者を含む組合での負担は予定していないという。

 業務代行予定者は、事務局の運営や組合設立認可に向けた地権者の合意形成、関係機関との協議、事業認可前に要する費用の調達・立て替えなどを進めることとなる。

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