19年度3事業で56.7億円 121号川治防災に着手 矢板大田原バイパスは地形測量(宇都宮国道 事業概要)
[2019/4/13 栃木版]
国土交通省宇都宮国道事務所は、2019年度の事業概要を公表した。事業費は56億7700万円で、改築、交通安全、電線共同溝-3事業を推進する。新規の4号矢板大田原バイパスは7.9kmの地形測量に着手するほか、県管理の権限代行事業の121号日光川治防災では2基のトンネルを掘削するため、影響区間3.4kmの地質調査を実施する。これら2カ所の事業化箇所の予算額はいずれも5000万円を配分している。
改築事業は、西那須野道路など7カ所に37億4300万円。このうち新4号国道(L62km)は、古河小山バイパスを含め県内6車線整備が完了し、春日部古河バイパスに8億7900万円を配分した。
同事務所所管の春日部古河バイパス11.2kmは、圏央道五霞ICが供用し、順次6車線化に着手。19年度は幸主地区の改良工事を継続するほか、元栗橋跨道橋の下部工事を実施する。
同じ茨城県区間では50号結城バイパス(L7.7km)が一級河川鬼怒川を渡河する新川島橋の耐震補強工事を継続する。橋脚の巻き立てなど耐震補強工事に合わせ右岸側橋梁上部工を施工するもの。同橋を含む延長2.8km区間は、一級河川田川が西側で近接する高架橋区間で、1998年3月までに暫定2車線で開通した。
県内の改築事業で重点配分されたのは、西那須野道路の10億0400万円。道路設計や用地買収を進め、三区町での改良工事を継続する。西那須野道路は、那須塩原市三区町~西富山に至る延長4.6kmのバイパスと現道拡幅事業。全体事業費は165億円。
交通安全事業では、4号が粟宮歩道整備(小山市)、雀宮駅前歩道整備(宇都宮市)、雀宮駅北歩道整備(同)、上横田1・2工区歩道整備(同)、那須町以北線形改良(那須町)、新4号と4号が交差する平出工業団地交差点(宇都宮市)、大原間南横断歩道橋(那須塩原市)に加え、18年度に着手した新4号の平出地区交差点(宇都宮市)と磯岡地区交差点(上三川町)の改良のほか、4号宝積寺歩道(高根沢町)は整備内容を具体化する。
那須町以北の線形改良は、同町高久甲地内の弓落交差点から福島県境までの14.2kmが対象。同区間では、曲線半径が120m未満のカーブや狭あい箇所、歩道未設置箇所など、道路構造令を満足していない箇所を対象に、線形改良や歩道設置、車道拡幅などを行い、線形不良による追突や出会い頭事故などの削減を図り、歩行者等の安全性の向上を目指すもの。これまでの調査設計から主要地方道大子那須線の交差点付近など、線形不良が4カ所、福島県境付近の歩道未設置箇所などの整備検討や調査設計を進めてきた。19年度は用地取得を行い、順次工事に着手する。これら交通安全対策の予算配分額は11億3700万円。
電線共同溝整備は、市街地の防災機能の向上と美しい街並みの形成が目的。19年度実施する7カ所では、調査設計や支障物移設補償、本体と引込管などの工事を予定した。整備延長は、4号が古河市大堤(L1km)、小山市若木町~喜沢(L3km)、下野市小金井~笹原(L2.4km)、同下古山~宇都宮市茂原(L4.2km)、同西原町~簗瀬町(L0.6km)の5カ所に加え、50号では足利市問屋町~上渋垂町(L1.3km)。
4号矢板拡幅は、矢板市片岡地内の東北自動車道矢板IC~同針生地内の延長6.5kmについて、現道を拡幅し4車線を確保する事業。全体事業費には200億円を試算した。19年度は1億円を予算化し、道路設計や片岡地区などで用地買収に着手する。
矢板拡幅から北進する4号矢板大田原バイパスは、事業化の西那須野道路までの4車線のバイパスと現道拡幅事業。バイパスは現道西側に新設し、構造物は東北本線跨線橋と一級河川箒川を渡河する橋梁を新設する。
121号日光川治防災事業の3.4km区間に計画した2基のトンネルは、野岩鉄道、導水トンネル、県道川俣温泉川治線とのトンネルが地下で近接・交差する施工難度の高い工事で、直轄権限代行による事業化が決まった。
道路の維持管理では、道路巡回・清掃・除草・樹木の剪定・除雪などといった日常管理のほか、老朽化対策として道路施設や橋梁等の補修工事を実施する。補修工事は定期的な点検を踏まえた対応で、19年度は50号小山高架橋を施工、50号大平高架橋と4号石井高架橋(宇都宮市)などは点検を予定した。