水源復旧に11億円 本吉町/ポンプ施設を再構築(気仙沼市)
[2019/4/4 宮城版]
気仙沼市ガス水道部は19年度予算で、本吉水源の災害復旧工事費に11億4542万円を確保した。本吉水源は、新圃の沢水源と新南明戸水源の2カ所で、震災津波の被害を受けたことから、ポンプ施設のかさ上げ復旧、または移設復旧を進める。6月までに実施設計をまとめ、災害査定の保留解除が認められ次第、工事を発注し、20年度までの完成を目指す。
両水源は水道水を供給するための井戸で、2カ所とも深さが4m程度。被災後は仮復旧して継続利用している。井戸の汲み上げ可能水量は、日量で新圃の沢が5294立方m、新南明戸が1194立方m。
現地は高さ5mの津波浸水想定区域に位置しているため、再び波をかぶらないように対策を進める必要がある。水源の井戸はそのままに、移設場所があればポンプ設備や受水槽、上屋などを動かし、移設場所がなければ現地を盛土してポンプ施設の位置を上げる。
ポンプはそれぞれの水源に2台ずつ備わっており、応急復旧で直したことから、基本的に既存の物を移し替える。受水槽や上屋などは、かさ上げ復旧するにしても再設置が必要になる見込み。
かさ上げの場合、余裕高に1mを確保するため、6m程度の盛土が必要になりそうで、現状の敷地内でそれが可能かどうかを実施設計業務で判断する。
同業務は新日本設計(仙台事務所・仙台市青葉区)に委託しており、年度を繰り越して6月までにまとめてもらう考え。その後、厚生労働省に災害復旧の保留解除を申請する。解除が認められれば、19年度の第3四半期ごろに工事を発注する。
工事費は、現時点で想定される全額を予算計上しているが、必要に応じて減額や増額、あるいは繰り越しを行う。