工事は1106件発注 2年ぶりWTO「鎮守大橋上部工」(宮城県出納局 2019年度発注予定)
[2019/4/2 宮城版]
宮城県出納局は4月1日、2019年度の公共工事発注予定を公表した。発注額が250万円以上となる案件は、4月1日時点で工事案件が1106件、建設関連業務が649件となった。このうち、WTO対象は「仮称・鎮守大橋橋梁上部工工事・中央」の1件のみ。同工事では旧北上川河口部(石巻市)に建設中の同橋について、上部工のうち中央部分に架設する340mのPCラーメン箱桁橋を架設する。第1四半期に一般競争入札を公告する。学校施設の建て替え事業では、第1四半期に「石巻好文館高校舎改築工事」を発注する。
公表された発注予定によると、工事案件の発注件数は1106件で、18年同期比で1▽8%の増加(20件増)。四半期別の発注件数と18年同期比は、▽第1四半期478件(33件増)▽第2四半期418件(47件減)▽第3四半期174件(35件増)▽第4四半期36件(1件減)――となっている。
発注件数が最も多い部局は土木部で、件数は559件(本庁188件+出先機関371件)。全体の50▽5%を占めている。農林水産部を廃止し、本年度に誕生した農政部と水産林政部の発注件数は、農政部が168件(本庁1件+出先機関167件)、水産林政部が82件(本庁6件+出先機関76件)となった。
このほかの部局では、本年度から下水道事業を所管する企業局が83件(本庁19件+出先機関64件)、教育庁が86件(本庁85件+出先機関1件)、県警本部が58件(本庁のみ)を発注する。
WTO対象の「仮称・鎮守大橋橋梁上部工工事・中央」は、第1四半期に一般競争入札を公告する。県がWTO対象工事を発注するのは2年ぶり。工種はプレストレストコンクリート工事。
鎮守大橋は石巻市の市道港町4丁目門脇5丁目線の構造物として、旧北上川河口部に新しく建設している長大橋。橋本体とアプローチの整備(事業延長754m)を、宮城県が石巻市から委託されている。
橋は3つのパートで構成される橋長536mの9径間橋。東日本コンクリートが上部工工事のうち、18年度に右岸側(橋長96m)の鋼3径間連続非合成鈑桁橋の架設を3億9600万円、左岸側(橋長100m)の鋼3径間連続非合成鈑桁橋の架設を4億1080万円で受注している。
19年度に発注する上部工は、中央部分に架設する3径間連続PCラーメン箱桁橋で、橋長は340m。工期は約18カ月、概算工事規模は22億9000万円から40億円の範囲で試算している。
老朽化した校舎を大規模公共事業として建て替える石巻好文館高校では、第1四半期に「石巻好文館高校舎改築工事」の一般競争入札を公告する。
改築事業では、旧石巻女子高校時代から使用してきた東校舎、西校舎を解体し、跡地に延べ6339㎡程度の新校舎および付属棟などを建設する。工期は約17カ月、概算工事規模は5億~22億9000万円の範囲で試算している。既存校舎の解体工事は遠藤興業が請け負っている。
関連する電気工事、衛生工事、暖房工事、昇降機工事の4件を第3四半期に発注する考え。
震災津波を受けて被災した警察署の再建では、第1四半期に「南三陸警察署庁舎新築工事」の一般競争入札を公告する。同署は志津川地区(南三陸町)の土地区画整理事業地内に、RC造3階建て延べ2036㎡で移転新築する方針。工期に約15カ月、概算工事規模は5億~22億9000万円を見込んでいる。
同署の移転再建でも、関連する電気工事と衛生工事、空調工事昇降機工事を第3四半期に発注する。
宮城県の公共施設では初めてCLTを使用する林業技術総合センター(大衡村)の工事では、「林業技術総合センター本館建設工事」を第3四半期に発注する。CLTを使った2階建て1235㎡の本館を建設する。
東日本大震災で被災した大川(気仙沼市)の復旧では、第1四半期に「大川河川災害復旧工事その4」と「大川河川災害復旧工事その5」の一般競争入札を公告する。その4で延長400m、その5で同650mを築堤する。
このほか、体育館の建て替えに関する設計業務を取りまとめている角田高校、名取高校、松島高校、佐沼高校ではそれぞれ、第2四半期に改築工事を発注する。