本県の事業費が11%増 国道349号丸森地区/新規に直轄調査費(東北整備局 19年度予算)

[2019/3/30 宮城版]
 東北地方整備局は、国の2019年度予算が成立したことを受け、同局関係の事業費を公表した。総額は前年度比10%増の1兆0005億円。このうち、本県の事業費は同11%増の1662億円となった。新規では、国道349号丸森地区に関して、直轄の権限代行による道路整備を検討するため調査費が盛り込まれた。
 同局の19年度予算は、国土交通省が発足した2001年に1兆0800億円を計上して以来、過去2番目の規模となる。ただし、今回は全体のうち東日本大震災復興特別会計(復興庁計上分)が4017億円を占めている。主な増額要因には、防災・減災、国土強靭化のための緊急対策に888億円が充てられたことなどを挙げている。
 本県の事業費を見ると、国交省計上分の一般会計が804億円(同7%増)で、うち直轄事業が205億円(同40%増)、補助事業が598億円(同1%減)。復興庁計上分は858億円(同16%増)で、うち直轄事業が393億円(同9%減)、補助事業が464億円(同50%増)となっている。
 国道349号丸森地区は、丸森町大張川張地区(川張2号トンネル)~福島県境(耕野地区)の延長5▽8km区間が未改良となっており、県が県道路防災対策検討協議会・国道349号丸森町地区(座長・飛田善雄東北学院大学教授)を設置し、東北地方整備局も交えて対策を検討している。
 これまでの検討では、現道より山側にトンネル構造のバイパス道路を通す案が有力視されている。現地の施工条件は厳しく、高度な技術を必要とするため、県や丸森町は国交省に対してトンネル化が検討されている延長4km区間の国による直轄調査を要望してきており、今回はこれが実った形だ。
 県内の新規事業ではこのほか、直轄事業で塩釜市錦町地区の国道45号電線共同溝に調査設計費など3000万円、補助事業で登米市内の長沼川大規模特定河川事業に6億2400万円、村田町内の町道菅生姥ケ懐線に4000万円、仙台市内の県道今市福田線高江工区に3億2500万円が付くなどした。
 新規以外では、復興庁関連の直轄事業で、三陸沿岸道路の気仙沼道路に251億5000万円、歌津本吉道路に13億8700万円、桃生登米道路に7億円、北上川下流の河川改修事業に35億4700万円を充てるなどした。
 直轄の通常事業では、鳴瀬川(吉田川)の床上浸水対策特別緊急事業に20億円、阿武隈川下流の河川改修事業に18億3700万円、国道108号古川東バイパスに17億7500万円、国道4号仙台拡幅に11億7000万円、鳴瀬川総合開発事業の多目的ダム建設に10億5000万円を盛り込むなどした。
 このほか、仙台塩釜港の港湾整備事業には通常分と復興庁分で計75億9400万円を計上した。

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