湾岸道路検討会が始動 都内で初会合 整備効果など検討(関東地方整備局)
[2019/3/29 千葉版]
国土交通省関東地方整備局は、規格の高い新たな道路ネットワーク計画の具体化に向けた検討を進めるため「千葉県湾岸地区道路検討会」の初会合を28日、都内で開いた。首都圏の経済活動を支える重要拠点があり、今後も港湾機能の強化や物流施設の立地などが見込まれ、交通需要の増大が予想される一方、慢性的な渋滞が発生しているなど交通の円滑化が課題となる中、その整備効果などを検討していく。
同検討会は、国と本県、千葉市、東日本高速道路(NEXCO東日本)がメンバー。初会合当日は同検討会設立に当たっての説明に加え、湾岸地域が持つ交通課題や今後の進め方が議題となった。
第2東京湾岸道路としてイメージされる、高規格の新たな湾岸地区道路については、千葉国道事務所で今月開かれた「県湾岸地域渋滞ボトルネック検討ワーキンググループ」でも報告があった。
それによると、2018年6月の外環道高谷JCT~三郷南ICの開通後、湾岸地域の交通量が増大し、渋滞損失時間も増加しているとした。
また、開通により周辺一般道の交通量減少や旅行速度の上昇といった整備効果が見られた一方、外環道から東側の国道357号をはじめとする浦安市~千葉市間の一般道で、旅行速度が10%以上低下する区間が発生しており、国道357号と東関東道では最大4%、京葉道路でも2%交通量が増大。特に船橋市や千葉市美浜区、中央区の広範囲で渋滞損失時間が増加。県平均の3・3倍に達しているとし、東京湾アクアラインを除き、国道や高速道路で渋滞が悪化している。
地域内の「通過交通」についても、OD(起点・終点)調査の結果、全車合計では約2~6割となるものの、大型車のみ抽出した場合は約4~8割まで増加し、地域内交通の機能分担や道路規格を含めた見直しが必要だとした。
加えて、千葉港で計画される機能強化とともに、今後相次いで沿道に物流施設が完成・供用予定で、一層の交通需要の増大が見込まれることなどから、船橋市~千葉市を通過する大型車について、本来分担すべき道路規格に見直し・転換することで、一般道の適正利用を図ることが必要だとした。
これらを踏まえ、広範囲で速度低下や渋滞損失が発生していることや、一般道に大型車の通過交通が多く混入していることなどを課題に、今後は既存の国道や高速道路を活用する「機能軸[2]」(図参照)や、アクアラインを利用する「機能軸[3]」に優先し、国道357号より東京湾側を走る高規格道として「機能軸[1]」の具体的な検討を先行。新たな検討会を設置し、高規格道路ネットワーク計画の具体化に向けて検討を始めることが示されていた。
初会合当日は、三番瀬の再生計画との整合性を確保しながら、千葉港の港湾計画や周辺の開発計画、環境への配慮および整備効果を把握していくこと、下部の幹事会で周辺自治体から意見を聞き、丁寧に検討を進めていくことなどが確認された。