全用途で上昇幅拡大 県全体で上昇638・横ばい282地点(19年地価公示)
[2019/3/20 千葉版]
県土整備部用地課は19日、2019年地価公示(20日公示分)に基づく県内の地価動向について公表した。今年1月1日を基準日として実施した本県の地価公示(1,259地点)は、対前年平均変動率が住宅地・商業地・工業地・全用途の全てで上昇幅が拡大した。全用途の平均変動率は14年度以降上昇傾向にあり、県全体の継続調査地点のうち、638地点で上昇、282地点で横ばい、300地点で下落。18年地価公示(上昇582地点、横ばい331地点、下落331地点)に比べ、上昇地点が増加し、横ばい、下落地点が減少している。
本県についてみると、住宅地の県平均変動率は0・6%(昨年0・4%)と14年度以降上昇傾向にある。調査対象53市区町村の平均変動率のうち、沿線別では総武線、京葉線、東西線沿線(市川市~千葉市中央区、千葉市美浜区、浦安市)、東京湾アクアラインの結節部(君津市、木更津市、袖ケ浦市)、都心と鉄道で直結する松戸市、鎌ケ谷市、流山市のほか、成田市など9市区も含め、計23市区で上昇している。このうち、最も上昇率が大きいのは君津市の5・2%(昨年5・3%)となっている。
商業地の県平均変動率は、2・9%(昨年1・7%)と上昇傾向。調査対象50市区町村の平均変動率のうち、沿線別では総武線・京葉線・東西線沿線(市川市~千葉市中央区・美浜区、浦安市)、東京湾アクアラインの結節部(木更津市、君津市、袖ケ浦市)、常磐線・つくばエクスプレス沿線(松戸市、流山市、柏市、我孫子市)のほかに八千代市など10市区も含め、計25市区が上昇している。このうち、最も上昇率が大きいのは浦安市の13・5%(昨年3・0%)となっている。
標準地別の1平方m当たりの価格は、住宅地をみると、昨年に引き続き市川35-1(菅野2丁目)の34万9,000円が1位。商業地では、昨年1位だった柏1丁目を上回り、千葉駅にもほど近い商業地域内にある千葉中央5-1(中央区富士見2丁目)が165万円(昨年は146万円)となり、それぞれ県内最高価格となっている。
本県を含め、圏域別の動向をみると、東京圏では昨年に引き続き上昇地点数が横ばい地点数・下落地点数を上回った一方で、地方圏では依然として、下落地点数が上昇地点数を上回っている状況が続いている。
地価公示は、地価公示法の規定により国土交通省土地鑑定委員会が毎年1回(基準日1月1日)、標準地の正常な価格を調査し、その結果を公表するもの。国土利用計画法施行令の規定により、都道府県知事が毎年1回(7月1日時点)基準地の標準価格を調査・公表する地価調査とともに、一般の土地の取引価格に対して指標を与えるのと同時に、公共事業用地の取得価格算定や、国土利用計画法に基づく土地取引の規制における土地価格算定の基準とされるなど、適正な地価の形成に寄与することを目的としている。
地価公示価格(毎年1月1日時点)は、標準地1平方m当たりの正常な価格で、売り手と買い手双方に売り急ぎまたは買い進みなどの特殊な事情がない取引で成立すると認められる価格として、いわゆる売り手にも買い手にも偏らない客観的な価格を表したもの。建物や使用・収益を制限する権利がない、すなわち土地のみ(さら地)の価格となっている。