従来方式で20年度着工 19年度は設計 東松戸の複合施設(松戸市)
[2019/3/16 千葉版]
松戸市公共施設再編課は、東松戸まちづくり用地活用事業として新設を計画している「東松戸複合施設」(仮称)について、2020年度の着工を計画している。図書館と支所に加え、子どもの居場所となる集会所(こども夢ステーション)を複合化する施設を、公設公営のいわゆる「従来方式」で整備するもので、19年度は基本・実施設計を26日開札予定の一般競争入札で委託し、20年度から着工、21年度中の供用開始を目指す。
計画によると新たな複合施設は、S造3階建ての構造で計画。規模として延べ約2,450平方mを見込み、図書館部分に約1,000平方m、支所機能を充てる事務所に約600平方m、こども夢ステーションに約450平方mをそれぞれ配分する考え。設計は20年1月末までを委託期間としている。
工事に当たっては、20年度の市議会による承認を経て、21年度にかけて2カ年で施工、同年度中の供用開始を図る予定になっている。
建設場所となる東松戸2-14-1、-4~9(旧紙敷土地区画整理65街区)は、敷地面積2,875・68平方m。地区計画で第一種高度地区とされ、用途地域は第一種中高層住居専用地域・第二種住居地域となっている。
この用地とその周辺(66街区)は元々、老朽化などが指摘されていた松戸市立病院の移転先として市が取得していたもの。
1995年の阪神淡路大震災を契機に市では、松戸市立病院と東松戸病院の移転改築を計画。既存の敷地を含むさまざまな候補地が挙がり、その後、紙敷土地区画整理事業地内の保留地に新病院を建設する案がまとまり、09年度には市が用地を取得するとともに、基本設計なども進めていたが、10年6月に現在の本郷谷健次市長が当選したことで、設計業務が中断された。
その後あらためて病院整備構想が策定し直されるなどし、最終的に千駄堀地区への移転が決まり、東松戸の保留地については再度活用方法を検討することとなった。
16年度には官民連携施策として、民間活力を活用した公共施設の複合化が図られることとなり市ではサウンディング調査(市場聞き取り調査)を実施。市の公共施設再編整備基本方針に基づき、行政サービス(支所)と図書館、子どもが遊べるスペースをメーンとする集会機能を持つ施設の整備をプロポーザルで募集した。
この結果、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とカフェも入居する民間施設を合築した複合施設の建設を提案した、ACAヘルスケア(東京都千代田区)を代表企業とするグループが選定されたが、その後の市議会で議員らの承認が得られず、庁内での検討で、公設公営の公共施設を従来方式で建設することが決まった。