橋の修繕計画、改定 10年で510橋補修 投資額250億円試算(宮城県土木部)
[2019/3/14 宮城版]
宮城県議会2月定例会の常任委員会が3月13日に開かれ、宮城県土木部は現行の橋梁長寿命化計画を改定する方針を明らかにした。第3次計画として改定し、計画期間を2019年度から10年間とする。県が管理する1789橋のうち、510橋を点検・補修する考え。投資額は約250億円を試算している。
宮城県土木部は3月13日に開かれた常任委員会(建設企業委員会)で、「県第3次橋梁長寿命化計画」の原案を示した。
県宮城は第1次計画を2009年に策定し、保有する橋の計画的な修繕を行ってきた。その後、12年12月に中央自動車道・笹子トンネルで崩落事故が起きたことを受け、道路法の施行規則が改正。道路施設は5年に1度の頻度で近接目視による定期点検が義務づけられた。このため、14年度に計画を見直し、第2次計画を策定している。
第2次計画では1756橋を対象に点検・補修を行ってきた。5年に1度の点検は本年度で一巡した。
第3次計画では橋長2m以上の橋1404橋に加え、土被り1m未満で橋長2m以上のカルバート橋385橋も点検の対象とした。対象数は1789橋に増えた。
これに第2次計画で点検した診断結果を当てはめると、健全とされる「判定I」は270橋だった。予防保全が必要とされる「判定II」は1145橋。早期に対策を講ずるべき「判定III」は374橋だった。通行止めが必要な「判定IV」はなかった。
第3次計画では、判定IIIと判定IIの中から510橋を補修していく。
判定IIIの374橋のうち、すでに34橋は補修済み。今後は残りの340橋を補修する。計画期間の前期5年間で、上部工を中心に補修を完了させる考え。また、判定IIの1145橋のうち、「予防保全の観点から速やかな補修が適当」と判断された170橋も補修する。
投資額は補修に約210億円、点検に約40億円の計250億円を想定している。第2次計画で想定した投資額より100億円増加する見通し。
補修する510橋のうち、土木事務所別で最も補修数が多いのは大河原土木事務所の128橋。次いで北部土木事務所の107橋となっている。