再生古農家が最優秀 建築文化賞 9作品を選定(県土整備部)
[2019/3/13 千葉版]
県土整備部建築指導課は12日、第25回となる2018年度の「県建築文化賞」を決定した。今回応募のあった75点の建築物の中から、最優秀賞として、千葉市緑区高田町に残る、古い農家住宅の保存・再生を図った高田・伊藤邸が選ばれるなどしている。表彰式は今月19日、県庁本庁舎の大会議室で執り行われる予定になっている。
県建築文化賞は、優れた建築物を表彰することにより、うるおいとやすらぎに満ちた快適なまちづくりを推進することを目的に、1994年度に創設されたもの。創設以降、今年度までの作品の応募総数は2028点で、これまでに206点の作品を表彰している。
同賞創設後、13年度には、募集部門を「一般建築物の部」「住宅の部」に、また14年度には賞の区分を「最優秀賞」「優秀賞」「入賞」にそれぞれ再編し、9作品以内を表彰することとした。
18年度は、一般建築物の部37点、住宅の部38点の応募があり、これらの作品について6人の委員からなる検討会議(委員長・北原理雄千葉大学名誉教授)で厳正な審査を行った結果、住宅の部で最優秀賞1点と優秀賞2点、入賞1点、一般建築物の部で優秀賞2点、入賞3点が選ばれた。
選考に当たっては▽デザイン性に優れている▽まちなみや周辺の景観と調和がとれている▽安全で快適な建築空間を創出している▽環境負荷の低減に配慮している▽防災への配慮がなされている▽施工上優れている▽その他、独自の取り組みや提案がなされている──などの事項を基準に総合的に判断したとしている。
最優秀に輝いた「高田・伊藤邸」は、緑豊かな集落の中に建つ築140年超の農家住宅を保存再生したもので、長屋門をくぐると重厚な主屋が出迎え、内部は伝統的な間取りを生かしながらも快適な現代生活が送れるよう配慮。梁組を現した吹き抜けのホールも見事で、モノとしての民家を保存するだけでなく、暮らしを維持する「建築文化」のあり方が評価されたとした。
受賞作品は次の通り(敬称略)。
■最優秀賞
【住宅の部】
●高田 伊藤邸
▽建築主=伊藤博訓
▽設計者=西本組・西本建築事務所
▽施工者=保川建設
▽所在地=千葉市緑区
■優秀賞
【一般建築物の部】
●ハレアカラ サービス付高齢者住宅
▽建築主=ワイオハ
▽設計者=河原泰建築研究室
▽施工者=山田建築
▽所在地=野田市
●シラハマ校舎
▽建築主=合同会社WOULD
▽設計者=一級建築士事務所あわデザインスタジオ
▽施工者=コハラ建設
▽所在地=南房総市
【住宅の部】
●町保の家
▽建築主=I氏
▽設計者=前原香介建築設計事務所
▽施工者=片岡建設
▽所在地=茂原市
●かぜの小路
▽建築主=森田元彦・篤子
▽設計者=佐藤文+鹿嶌信哉/K+Sアーキテクツ
▽施工者=スターツCAM
▽所在地=流山市
■入賞
【一般建築物の部】
●旭町診療所
▽建築主=田邊節子・田邊政裕
▽設計者=田邊曜建築設計事務所
▽施工者=株式会社辰
▽所在地=千葉市中央区
●新柏クリニックめぐりの庭
▽建築主=医療法人社団中郷会新柏クリニック
▽設計者=竹中工務店
▽施工者=竹中工務店
▽所在地=柏市
●御宿 海楽
▽建築主=ホテル海楽
▽設計者=一色ヒロタカ+中村篤史/studio IrodorI建築設計事務所
▽施工者=石井工務店、小山建築工務
▽所在地=御宿町
【住宅の部】
●ナガレノイエ
▽建築主=K氏
▽設計者=一級建築士事務所ikmo
▽施工者=須賀工務店
▽所在地=流山市