[2019/3/12　宮城版]
　大崎地域広域行政事務組合(管理者・伊藤康志大崎市長)は新設する東部新斎場の整備候補地について、古川斎場近隣の古川小野地区の農地に絞る方針で、新斎場整備に向けた調査費を2019年度予算案に計上する見通し。予算案は22日に開会予定の組合議会で審議する。
　事業では19年度から20年度にかけて調査と地権者との合意形成を図り、早ければ20年度中に用地買収に入りたい考えだ。供用開始時期については26年度ごろを目指している。
　組合は1983年竣工の古川斎場(古川小野)、82年竣工の松山斎場(松山千石)、91年竣工の涌谷斎場(涌谷雉子林)の3斎場を統合して、新斎場の整備を計画している。涌谷斎場は比較的新しいことから、当面は新斎場と並行して利用していく。
　候補地は統合する3斎場からの距離や住民からの要望などを考慮し、大崎市古川桑針(谷地中)周辺、同小野新田裏周辺、美里町北裏下中江周辺、同中埣上戸周辺の4カ所を選定し検討が進められてきたが、小野地区以外は地域住民の反対などにより候補から外れていた。
　なお松山地区の住民から新たに下伊場野石宮地区を候補地に推薦する嘆願書も提出されたが、現時点ではまず小野地区で計画を進める方針だ。
　計画では建設場所約3haを確保し、RC造一部2階建て約5000平方ｍの新斎場を整備する。会葬者用や普通乗用車用を合わせて約350台、マイクロバス用に10台分などの整備を予定している。
　火葬設備は燃料灯油式で環境に配慮した大型人体炉8基、大型動物炉1基を備える。このほか20キロワットの太陽光発電設備も設置する計画だ。
　基本計画はエイト日本技術開発(東北支社・仙台市若林区)、適地選定の調査などは建設技術研究所(東北支社・仙台市青葉区)が担当した。