公共事業費が11.7%増 国土強靭化対策に41億円 (県土木部の19年度予算案)
[2019/3/8 宮城版]
県議会2月定例会の予算特別委員会が7日に開かれ、建設企業分科会など6つの分科会で2019年度予算案が審議された。建設企業分科会では、土木部の予算説明が行われた。同部の予算総額は前年度比2.5%減の2078億2023万円。このうち、公共事業費は同11.7%増の923億0482万円、災害復旧費が同8.3%減の704億8657万円となっている。
土木部予算を会計別に見ると、一般会計が2037億円4711万円、特別会計が40億7312万円。全体では前年度に比べ約54億円の減額だが、下水道事業の企業局移管に伴う約117億円の減額を含むため、実質的には約63億円の増額となっている。
全体の内訳は、復旧費が691億円、復興費が726億円、通常分が661億円。通常分には防災・減災、国土強靭化のための3カ年対策費41億円が含まれている。
債務負担行為は、復興事業として実施する沿岸部の河川堤防や防潮堤、半島部道路の大規模工事を円滑に進めるため、471億円を設定。主なものでは、広域防災拠点の整備に向けた公共補償に4カ年で限度額63億1000万円を設定した。
19年度は当初予算に、18年度の繰越予算111億円と、17年度の事故繰越予算252億円を合わせ、計3442億円を執行する。
19年度の取り組み目標には[1]壊滅的な被害を回避する粘り強い県土構造への転換[2]いつまでも安心して快適に暮らすことができる生活基盤の整備[3]かつてない賑わいや活力に満ちた東北の発展と宮城の飛躍を支える交流・産業基盤の整備[4]防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策──の4つを掲げた。目標別の予算配分は%2別表%1の通り。
粘り強い県土構造への転換では、災害復旧事業に691億円を充て、女川牡鹿線など道路10カ所、橋梁7カ所、河川13カ所、海岸12カ所、港湾施設37カ所の完了を目指すほか、国道398号内海橋など橋梁9カ所、道路6カ所、河川20カ所、海岸11カ所、港湾施設9カ所の復旧を継続する。
このほか、大津波対策に337億円、総合治水対策の推進に116億円、災害に強い川づくり緊急対策の推進に22億円、公共土木施設の耐震強化対策の推進に38億円を盛り込むなどした。
生活基盤の整備では、生活快適化促進公共事業の推進に236億円を配分し、新規で愛島名取線など6路線の交通安全施設整備、泊崎半島線(馬場)など5路線の生活に密着した道路整備、国道108号柏木原地区など12路線の冬期交通確保に向けた防雪対策・災害防除対策を進めるとともに、震災で損傷した路面の舗装補修などを行う。
交流・産業基盤の整備では、高速道路網の整備に124億円、海上広域物流拠点の整備に45億円、広域道路網の整備に66億円を割き、国の直轄事業への協力や、みやぎ県北高速幹線道路の整備などを進める。
3カ年緊急対策では、河川改良・維持修繕に24億円、道路橋梁整備に9億円、砂防事業に8億円を計上している。