空調設置BTOを公告 小中33校 上限額は約22億円(八千代市)

[2019/3/6 千葉版]
 八千代市教育委員会は、市内小学校22校、中学校11校の計33校にPFI手法(BTO方式)を使って空調設備を設置するため、事業者の公募型プロポーザルによる募集要項などを公表した。事業期間は、契約を締結する2019年8月下旬~9月上旬から、33年3月末までの13カ年余とし、提案の上限額には21億9,561万6,000円(税抜き)を設定。今月18日には同市役所で説明会の開催も予定しており、その参加を11日まで受け付けている(契約までのスケジュールなどは表参照)

 市では昨夏の猛暑を受け、児童や生徒の体調管理への配慮や、学習環境の向上に向け、小・中学校の普通教室などに空調設備を整備することを計画。対象は普通教室・特別教室・管理諸室合わせて632教室と、特別教室・管理諸室など既存空調設備の更新39教室における空調設備の設計と施工、工事監理、市への所有権の移転、維持管理、空調設備の移設などに加え、既設空調設備155教室に対しては維持管理のみを実施するとともに、これらに付随する関連する一切の業務を委託する。

 プロポーザルに参加する企業グループについて要項では、設計業務を請け負う構成企業の要件として、市の入札参加者名簿に登載があり、08年度以降に完成済み室内機10台以上かつ延床面積500平方m以上の空調設備の設計を元請けした実績があることとした。

 施工者についてもまた、市の入札参加者名簿で管工事または電気工事で等級格付A・Bで登載があり、設計と同様の施工実績を求めるなどしている。市は優先交渉権者と特定されたグループにより設立された特別目的会社(SPC)と事業契約を結ぶこととなる。

 要求水準書によると、設計に当たっては新たに設置する空調機器の仕様や台数などの決定について、長期間にわたり学校の利用者に快適で健康的な室内環境を提供することに配慮を求めるとともに、各学校の敷地条件の違いにも配慮。機器の設置に当たり教育環境への影響と学校周辺地域への影響に配慮することも求めている。また、室外機は原則として地上に設置し、屋上や外壁などに設置して校舎などに荷重をかけることは認めないとした。

 市では18年5月の指名競争入札で、市立小中学校空調設備整備事業PFI手法等導入可能性調査業務を、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京都港区)に委託。従来方式とDBO方式、PFI(BTO)方式、リース方式の4つを比較調査した結果、財政負担軽減効果(VFM)などから「BTO方式で空調設備を整備することが最適である」とした。市は財政負担が約6%削減できる見通しだとしている。

 この後、早期の設置に向けた国の動きが加速、学校施設環境改善交付金のめどが立つなどしたことから、各種の手続きを可能な限り短縮し、当初の20年9月から同7月、さらに同3月までに整備を前倒しして完了させる方針を固めた。県内では佐倉市や松戸市などでPFI手法を採用した学校への空調設備導入をすでに果たしている。

 この過程で、BTO方式の採用に伴う実施方針案の策定などを含む支援業務について、可能性調査に続き、三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託している。

日程(予定) 内容
3月4~11日 募集要項等の説明会・現地見学会申込み
3月4~11日 関係書類貸与申込み
3月4~8日 第1回募集要項等に関する質問受付
3月13~15日 関係書類の受取
2019/03/18 募集要項等説明会
3月18~28日 第2回現地見学会
3月中旬 第1回募集要項等に関する質問及び回答公表
3月18~28日 第2回募集要項等に関する質問の受付
4月上旬 参加表明書及び資格確認書類の受付
4月中旬 資格確認結果の通知
4月中旬 第2回募集要項等に関する質問及び回答公表
5月10~17日 事業提案書の受付
5月下旬~6月上旬 優先交渉権者及び次点者の決定
6月下旬 基本協定の締結
7月中旬 仮契約の締結
8月中旬~9月上旬 事業契約の締結(契約効力の発効)

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