国土交通省 4号矢板大田原バイパスで意見聴取 費用対効果分析し事業化へ
【2019/3/5 栃木版】
国土交通省は2019年度予算化に向け、新規事業採択時評価の手続きに着手し、本県では国道4号矢板大田原バイパス7.9kmが新規事業化候補箇所として盛り込まれた。今後は、県など関係自治体をはじめ学識経験者で構成する第3者委員会の意見を聴取し、評価結果を取りまとめる。事業化に当たっては、費用対効果分析を含む総合的な評価を行い、事業の必要性を確認するとともに、新規事業採択箇所として決定するとした。
新規事業採択時評価対象事業は、事業採択前の準備・計画段階で、着工時の個別箇所が明確になる事業のうち、準備・計画に要する費用を予算化しようとする事業。今回は4号矢板大田原バイパスを含む道路事業が20カ所(有料道路事業1カ所を含む)、河川と地すべり対策が各1カ所。港湾整備5カ所の計27カ所が盛り込まれた。
4号矢板大田原バイパスは、7.9kmのルートのうちバイパス区間は南側5.3km、現道拡幅区間は北側2.6kmとし、一般部の幅員を22m、交差点部は付加車線分を含め25mとした。幅員構成は、車道3.5m×4車線、両側の歩道が2.5m。車道と歩道間の路肩は0.75mとし、中央分離帯は1.5mで計画した。
バイパス区間の構造物では、JR東北本線をオーバーパスし概算で40~50m、箒川の新橋は200m規模を想定している。ルート選定に当たっては天然記念物や学校などのコントロールポイントを極力回避するとともに、圃場整備地域の区画などに配慮。ルートと幅員は、昨年10月の県都市計画審議会に諮問し了承、年末には都市計画決定し、告示している。
県都市計画課によると、ルート等の都市計画決定に当たっては、道路整備による法面等は考慮していないため、事業化に向け区域を変更する都市計画決定を行う場合もあるとした。
4号矢板大田原バイパスは、南を矢板市針生地内の土屋交差点付近から北西側に分岐し、現道とは一般県道関谷上石上線が分岐する上石上交差点まで5.3km区間をバイパス、上石上交差点から那須塩原市三区町地内の二区交差点まで2.6kmは現道拡幅とした。
バイパスのルートは、一級河川箒川右岸の農地と丘陵部との境界付近を北上し、上石上交差点に合流する最短ルートで一級河川箒川を渡河する。バイパス区間の鉄道立体部は高架、箒川には橋梁架設、丘陵部は切り土、圃場等農地は盛り土構造で計画した。既設の市道等との交差点は平面交差が原則だが、丘陵地の比高を利用して一部立体を想定しているほか、バイパス整備により分断する圃場等の耕作道路は盛り土でボックス工を施工、立体化による通行を確保する見通し。
国交省は、16年5月に社会資本整備審議会道路分科会関東地方小委員会を開き、矢板市~那須塩原市間の国道4号について計画段階評価を実施。課題とされる、▽混雑と野崎橋が寸断した場合に広域な迂回が生じること▽沿道環境が悪いこと▽交通事故への危惧▽物流の効率が悪いこと▽救急医療施設への速達性に劣ること-などについて、改善が図れるバイパス案に決めた。
17年12月には県都市計画審議会に諮問するため、ルートと幅員等についてバイパスを計画する矢板市と大田原市の地元関係者に示し、18年12月に都市計画決定した。
矢板大田原バイパスの南北では4車線化に向け、北側が約4.6kmの西那須野道路が事業中。南側では矢板拡幅約6.5kmの事業化が16年度から始まっており、測量や設計などを進めている。