浄水施設整備で設計 西平井浄水場 4月以降に委託へ(流山市)
[2019/3/5 千葉版]
流山市上下水道局は2019年度、西平井浄水場(西平井1490)に水処理施設(浄水施設)を増設(新設)するため、基本・詳細設計を進めることを予定している。19年度の同水道事業会計の当初予算案には、委託料として2,389万円を計上しており、予算確保を図る。設計業務は単年度で進める考えだが、並行して将来の水需要を水道ビジョンの策定を進める考えで、内容と整合性を図りながら、具体的な整備の時期や規模などを詰めていきたいとしている。
西平井浄水場への水処理施設の新設は、東部浄水場(名都借391)を今後廃止する方針であることに伴うもの。東部浄水場はRC造2池(合計2,400立方m)を持ち、深井戸5井から汲み上げた水を浄化し、市内に1日当たり最大6,500立方mを配水する能力を持つ比較的小さな浄水場だが、現在は市全体の給水状況からみて10%にも満たないという。
市では将来的に現在4カ所ある市内の浄水場を3カ所に統合して運用することを計画しており、このため、現在は北千葉広域水道企業団から受水した上水道用水を給水しているのみの西平井浄水場内に新たに水処理施設を設け、新たに給水を開始する考えでいる。東部浄水場については、25年度までの運用を見込んでいる。
西平井浄水場は現在、1日当たり1万8,800立方mの上水を受水して給水。PC製のタンク2池(計1万7,000立方m)を有している。
市では11~20年度を計画期間とする市水道事業基本計画を策定しているとともに、16年4月には市水道事業経営戦略を策定。つくばエクスプレス開業以降の顕著な人口増加に対し、1人当たりの使用水量は減少傾向が続いており、給水収益が伸び悩んでいるとともに、今後の給水収益の動向などを考慮すると、将来に向けた適切な現状把握を進める必要が生じているとした。
経営戦略は16~27年度の12カ年が計画期間で、使用水量は17年度、給水人口は24年度にピークを迎える見込みだとし、27年度以降も減少が続く見込みだという。
市ではこのため、つくばエクスプレス沿線開発により、配水エリアの人口増が見込めるおおたかの森配水池(西初石5-57)について、配水池1池の増設を計画。長期的に見ると水需要は減少していくことが想定されるため、実態を考慮した6,000立方m程度の増設容量とし、投資額の抑制を図るとした。経営戦略によると、同配水池への増設事業は22年度からを予定している。
一方で東部浄水場については、浄水場間をつなぐ配水本管の布設に伴い、他浄水場から東部エリアへ水の供給が可能となるため、本管の完成と人口減少の兆候を確認した段階で廃止するとしている。
経営戦略ではこのほか、耐用年数を超過した管が比較的少ない状況にあるものの、老朽化する施設や管路の更新を計画的に進め、特に重要な基幹管路は優先的に耐震化。一方で使用実態に見合った更新サイクルと重要設備の定期的な補修による長寿命化を図り、施設の更新費用の抑制に努めるとしている。