20年度中に10市で運用 松戸市消防局で共同化準備(北西部指令センター)
[2019/3/1 千葉版]
県内自治体・団体の各消防本部が共同で設置し、千葉市と松戸市の県内2カ所に設けられている消防共同指令センターのうち、松戸市に置かれた千葉北西部消防指令センターは、2020年度中に現在の近隣6市から10市による共同運用を目指している。同センターが入る松戸市消防局は、今春の供用開始を予定して建て替え工事が進められており、19年度以降は内部の機材やシステムの更新が図られる見通しだ。
県内でそれぞれの地域の消防本部が受け付けていた火事や救急などの119番通報は、13年4月から一部の市を除いて千葉市消防局内の「ちば消防共同指令センター」と、松戸市消防局内の「千葉北西部消防指令センター」で受け付けている。
このうち千葉北西部消防指令センターはこれまで▽松戸市▽流山市▽市川市▽鎌ケ谷市▽浦安市▽野田市──の6市の消防本部が運営していたが、センターの設置当初に参加を見合わせていた▽柏市▽八千代市▽我孫子市▽習志野市──の4市が加わることとなり、16年8月には10市の共同による「松戸市ほか9市消防指令事務協議会」が設置され、共同化の準備が進められていた。
北西部消防指令センターは、改築を果たした松戸市消防局の敷地内に配置する計画で、内部は供用以降に整備していくこととなる。10市での共同化が始まれば、県内では船橋市を除き、全ての消防本部がどちらかの指令センターの管轄となる。
共同指令センターでは、管轄する市町村からの119番通報を一括して受け付け、通報内容などから災害地点や火災・救急・救助などの種別を決定。出動部隊を編成し、管轄する本部の消防隊・救急隊などへの出動指令や、現場活動の支援などを実施する。
施設はこれまで各消防本部が単独で整備し、運用することが原則とされてきたものの、近年は高度かつ複雑な災害対応や、救急サービスなどが求められるとともに、大規模災害では近隣の市町村に対し、迅速でかつ集中的な広域応援を要請しなければならないなどといった、既存の消防本部では対応が困難な事例が発生するようになった。
このため県は国から要請を受け、県と県内全消防本部で構成する協議会を設置。協議・検討を進め、県内を2ブロックに分けて整備する計画を策定し、県内2カ所に共同指令センターを設置、運用している。
共同運用によるメリットは、複数の消防本部での情報共有が可能となり、同時発生した火災や大規模災害などに対し迅速な相互応援ができるほか、市境で発生した災害などにも素早い対応が可能。共同で施設を整備することで、単独では難しい最新の位置情報通知装置や車両動態管理装置などといった情報通信機器の導入が可能であるのに加え、一部地域で119番通報が集中した場合でも対応可能な人員が確保できる。