道の駅建設に設計費 一般会計/前年度並みの331億円 (南三陸町 19年度予算案)
南三陸町の2019年度予算案が明らかになった。一般会計は前年度比0.4%増の331億4000万円で、うち244億6700万円が復旧・復興事業費、86億7300万円が通常事業費となっている。漁港施設の復旧工事費に98億円を充てるなど、震災関連の事業がまだ残っているため、前年度並みの予算規模となった。通常事業では道の駅の施設整備に向けた基本・実施設計費を盛り込むなどしている。
漁港施設は主に防潮堤が復旧対象として残っており、町が管理する19漁港のうち、工事が終わっているのは寺浜漁港のみ。残る18漁港の防潮堤工事はすでに発注済みで、2020年度の全体完成を目指して工事を継続する。現時点の進捗率は事業費ベースで3~4割程度。
漁港施設の災害復旧事業費は、過去に17~20年度で限度額241億円の債務負担を設定しており、今回計上したのはその19年度分。防潮堤は新設区間もあるため、復旧工事費とは別に、19年度予算案に海岸防潮堤設置工事費として24億円を計上している。
復旧・復興関連の予算はこのほか、被災市街地復興土地区画整理事業の業務委託費に21億円、道路橋梁の災害復旧工事費に17億2749万円、漁業集落防災機能強化事業の生活基盤整備等工事費に8億1516万円、復興拠点連絡道路等整備事業の業務委託費に7億5670万円、都市公園整備事業の業務委託費に5億4400万円を盛るなどした。業務の委託先は全て都市再生機構。
これ以外では、町道の新設改良工事費に4億7900万円、野球場の施設整備工事費に1億1100万円、橋梁の修繕工事費に7600万円、応急仮設住宅の解体等工事費に5200万円、漁港施設等機能保全計画の策定業務委託費に8300万円、道の駅建設工事の設計業務委託費に2700万円を充てるなどした。
このうち、道の駅は志津川地区の「南三陸さんさん商店街」を含む敷地3.1haに整備する。道の駅施設は木造平屋1200平方m程度の規模を計画。130~140台分の駐車場や、バスターミナルなども整備する。周辺で河川や道路などの復旧・工事が進められているため、道の駅施設の建築着工は20年9月ごろになる見通し。21年3月の全体完成が目標だ。
一般会計以外では、水道事業会計の資本的支出に、水道施設の災害復旧等工事費として17億8463万円を計上。浄水場2カ所と配水管路9カ所の復旧工事費に充てる。
一般会計と特別会計6事業、企業会計3事業を合わせた予算総額は420億6487万円(同1.8%増)。予算案は3月5日開会の町議会定例会に提出する。