産業用地調査でプロポ 手法や候補地など検討(千葉市)

[2019/2/27 千葉版]
 千葉市経済農政局企業立地課は26日、2019年度の産業用地確保に向けた基礎調査業務を委託するため、公募型プロポーザルを公告した。質問を3月1日、参加申し込みを8日までそれぞれ受け付けた上で、企画提案書は15日までの提出を求め、22日にはプレゼンテーション(ヒアリング)を予定。28日の結果通知を予定している。業務では第1次報告案を8月末、第2次報告案を12月末までに提出するよう求めるとともに、最終報告案の完成は20年2月末までに設定するなどしている。

 プロポーザルの参加資格については、産業用地確保に伴う調査の実績があることなどとし、委託料は800万円(税込み)を上限に設定。審査に当たっては、市域での産業用地確保について、今後の検討の指標とするため、直近の経済社会情勢を踏まえ、県内における近年の動向や企業の立地ニーズなどを調査・分析し、最良の提案ができる体制を備えているかを評価するなどとしている。

 業務では、市の立地特性を調査し、分析するとともに、企業立地の動向と立地ニーズを調査・分析。立地ニーズの調査に当たっては、アンケートを実施し、その結果を回収後、これを基に企業へのヒアリングを実施。その際に市にとって集積に適した業種・施設(立地形態)について分析することや、市内で複数の候補地を選定し、評価項目や評価基準を策定した上で評価・分析すること、一団のまとまった土地やインターチェンジの周辺地域、既存工業団地の隣接地などをはじめ、産業用地に適当な候補地や候補施設などを最低5カ所選定することなども求めている。

 このほか、想定される整備手法や事業主体、必要期間、必要経費、必要な手続き、規制緩和などといった整備手法ごとのメリット・デメリットを示すこととしている。

 市は17年9月、「脱・財政危機」宣言を解除した一方で、財政健全化の取り組みが必要な状況が続いているとするとともに、市の第3期財政健全化プラン(18~21年度)でも、歳入の確保対策として企業誘致の推進による法人の税収基盤を強化することが取り上げられており、今後も民間活力を導入しながら必要な産業用地確を確保、切れ目ない企業誘致を実施することでさらなる雇用の確保や域経済への波及効果を図ることを目指すとした。

 市では分譲中の千葉土気緑の森工業団地や、ちばリサーチパークでも近年企業の進出が相次ぎ、市内で紹介できる産業用地がなくなりつつある状況とだといい、早急に次期産業用地の確保に伴う手法や候補地を検討するべく、基礎調査を実施することにしたという。

 市は16年度から、企業立地の一層の促進と競争力のある産業の集積を目的に、新たな産業用地の整備を進めるため、豊富な同種の実績を有する民間事業者の資金や経営能力、技術力を活用して造成工事と企業誘致などを含めた、実現可能な産業用地整備の企画提案を募集。周辺環境の整備をするため、市に帰属する道路や下水道などのインフラの整備費に対し「建設負担金方式」による支援を行う「市産業用地整備支援事業」を実施。この制度により認定を受けたエム・ケー(東京都日野市)が、緑区内で開発面積25・9haに及ぶ「ネクストコア千葉誉田」を造成中となっている。

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