子ども館整備へ測量 19年度予算 3カ年で道の駅検討(野田市)
[2019/2/26 千葉版]
野田市(鈴木有市長)は22日の会見で、2019年度当初予算案の概要を明らかにした。一般会計は、前年度比2・7%(12億7,600万円)増の総額490億8,700万円。特別6会計と水道事業会計を合わせた市全体の支出規模は898億5,299万円で、同様に同2・4%の増。新規のものでは、子ども館の整備に向け事業費を計上したほか、道の駅の新設に向けて検討を開始する。
一般会計に占める普通建設事業費は、前年度比14・4%増の42億4,141万円(補助17億8,154万円、単独24億5,987万円)となっている。
同市が目玉事業として挙げたもののうち、主なものをみると「元気で明るい家庭を築ける野田市」を目指し、18歳までの子どもたちが集い、遊びを通して自主性や社会性、創造性を身に付ける「学び」の場として、また保護者どうしが安心して気軽に交流や相談ができる子育て支援の拠点として、さらには子どもたちの体験活動を市民が支える地域交流の拠点として、新たな子ども館を整備する。災害時に妊婦や乳幼児が利用できる防災機能も兼ね備えた施設とするとした。19年度は用地測量を実施する。
また、1974年に開設した老人福祉センターは、40年以上が経過し、老朽化していることから、大規模改修工事を実施。19年度は実施設計を行う予定でいる。
新規事業ではまた、道の駅整備検討費として370万円を計上。道の駅の整備検討を進める上で、地域の課題や周辺の状況、住民の意向や利用者のニーズに沿った整備を総合的に推進するため、民間事業者の企画力やノウハウを広く活用して道の駅基本構想と基本計画作成(19年度から21年度の継続事業)を進める。
新規のものでは、鈴木貫太郎記念館の整備に790万円を計上。19年度度から同館に有識者の副館長を置いて来館者に対応するとともに、資料の調査収集や貫太郎翁の認知度向上施策の検討、常設展・企画展の企画立案への参画等を行う。また元号も改まることから、新たな時代を連想できるような企画展を実施するなどとした。
このほか、受水槽非常用給水栓設置事業として、市内の避難所である小中学校の受水槽に対し給水栓を設置することで、災害時や広域断水事故などで、避難者や周辺住民へ受水槽から飲料水を提供。19年度は10校分の工事を実施する。
また、史跡めぐりなどの観光客や、サイクリングロード利用者、河川敷運動場などの利用者を集客するための重要なアイテムとして、公衆トイレの整備を進める。19年度は、老朽化の著しい中野台鹿島神社公衆トイレと花井児童遊園内公衆トイレを建て替えるとともに、条例で定めた公衆トイレ29カ所の周知を図るため、公衆トイレ表示看板を設置する。
合併関連の事業としては、東武野田線の愛宕駅と野田市駅を含む約2・9km区間の鉄道を高架化することで、11カ所の踏切を除却し、交通渋滞の緩和や安全性の向上、駅のバリアフリー化とともに、東西市街地の一体化を図る連続立体交差事業に5億9,900万円を計上。19年度は全区間で高架橋工事を進め、駅部では一部建築工事に着手し、20年度の高架切り替えと駅のバリアフリー化を目指し、事業の進ちょくを図る。
併せて、立体交差事業と整合を図りながら、愛宕駅西口には約3,100平方mの駅前広場を整備。東口と併せて公共交通機関の利便性を図るため、19年度も引き続き市土地開発公社が先行取得した駅前広場用地を買い戻す。
阿部沼第1排水区六丁四反水路調整池整備は、計画区間の水路改修は完了したものの、さらに関宿高校前とその北側の2カ所に雨水調整池を整備することで、東宝珠花市街地から木間ケ瀬地先の雨水を速やかに排除し、道路冠水等の被害解消を図るため、19年度は関宿高校前調整池の築造工事を実施。完成時の貯留量は2つの調整池を合わせて6万立方mで、23年度の完成を目指す。
また、特定建築物である中央公民館(総合福祉会館、市民活動支援センター含む)は18年度の耐震診断をで、倒壊・崩壊の危険性が低いとされる構造耐震指標(Is値)0・6以上となったものの、2・3階の片持ち梁で地震時の応力負担に問題があることが判明したため、19年度は構造補強工事に向けた実施設計を予定している。
市ではこれら当初予算案に加え、市議会定例会には補正予算案を提出する考えで、市内で発生した児童虐待事件を受けた再発防止合同委員会開催費を追加するほか、スクールカウンセラー配置事業の増額、市郷土博物館及び市民会館の指定管理者の指定料などの計上を予定している(金額は未確定)。