新労務単価が過去最高 本県/全職種平均は3.5%増 3月から適用(国交省)
[2019/2/23 宮城版]
国土交通省は22日、3月から適用する公共工事設計労務単価を発表した。有効標本が得られた49職種の平均単価は全国が1万9392円。前年度比は単純平均で3.3%増、加重平均で4.1%増となった。本県の平均は単純、加重とも同3.5%増の2万1746円。全国、本県とも公表を開始した1997年度以降で過去最高の値となっている。
本県の所定労働時間内8時間当たりの職種別単価は%2別表%1の通り。30年3月から適用されている単価と比較すると、全職種で上昇している。具体的には、普通作業員が600円の増、造園工が400円の増、とび工や内装工が900円の増、電工が500円の増、運転手(一般)が700円の増、配管工が500円の増、交通誘導警備員Aが1000円の増などとなっている。
宮城、福島、岩手の被災3県で見ると、全職種平均は2万1105円で、単純平均が同3.6%増、加重平均が同3.5%増。過去最高は97年の2万1357円で、ここまでには及んでいない。
全国、被災3県とも、必要な法定福利費相当額を加算するなどした2013年の改定から単価が7年連続で上昇している。特に被災3県は、震災による入札不調対策として単価の引き上げ措置を継続しており、12年比で見ると実に64.0%増となっている。
被災3県の過去4年間の伸び率は、16年が7.8%増、17年が3.3%増、18年が1.9%増と復興の進捗に伴って鈍化し始めていたものの、19年は3.6%増で再び上昇に転じている。
同省は今回から新たに、全職種単価の単純平均の伸び率に加え、労務費の積算への影響の推移を測る上で適した加重平均の伸び率も公表している。これは都道府県別・職種別の単価を標本数により重み付けした平均値。今後はこちらを標準にしていく考え。
単価設定に当たっては、昨年10月に施工中の1件当たり1000万円以上の工事から、調査対象となる51職種の建設労働者を選び、賃金の支払い実態を把握。有効標本数は全国で9万1173人だった。
屋根ふき工と建築ブロック工は、十分な有効標本数が得られず、単価設定に至らなかった。さらに本県では、石工、山林砂防工、タイル工、建具工も有効なデータが集まらず単価を設置していない。
公共工事の設計労務単価は[1]基本給相当額[2]基準内手当[3]臨時の給与[4]実物給与──で構成。法定福利費や労務管理費、安全管理費などの事業主が負担すべき必要経費は含まれていない。
仮に労務単価が1万9392円(100%)の場合、事業主が労働者1人の雇用に必要な経費は2万7342円(141%)になることに留意する必要がある。
新労務単価は、3月以降に発注する補正予算計上の公共工事から前倒しで適用し、予定価格を積算する際に用いる。
31年度 宮城県の公共工事設計労務単価一覧