公営の処分場整備、必要 全会一致で賛同 産廃処分場あり方検討(宮城県)

[2019/2/16 宮城版]
 2回目となる「今後の産業廃棄物最終処分場のあり方検討懇話会」が2月15日、宮城県庁内で開かれた。宮城県が保有する産業廃棄物最終処分場「クリーンプラザみやぎ」(大和町)などの埋め立て容量の満杯時期が近づく中、今後の処分場の整備方針などが話し合われた。宮城県は同懇話会に、公共機関が主体的に整備する最終処分場の建設が必要との見解を示した。懇話会の委員らも、全会一致で宮城県の意向に賛同した。今後、さらに具体的な整備方針が話し合われる見通し。
 最終処分場のあり方検討懇話会では、産業廃棄物の排出量が多い建設業や産業廃棄物の団体の代表、宮城県市長会会長の佐藤昭塩釜市長らが委員となっている。
 宮城県内には産業廃棄物を埋め立てる最終処分場が、計8カ所にある。このうち、公営の最終処分場は、宮城県環境事業公社が運営するクリーンプラザみやぎのみ。7カ所は民間が運営する最終処分場となっている。どの処分場も埋め立て容量の満杯時期が近付いている。
 このうち、クリーンプラザみやぎの埋め立て容量は1072万6000立方mとなっており、2017年度末で93%に当たる997万3362立方mが埋め立て済み。残余容量は75万2638立方mで、2026年3月には満杯になる見通し。民間の最終処分場の満杯時期も近付いており、事業者らは処分場の拡張を計画している。
 最終処分場の建設には地域住民の合意を得ることが難しく、宮城県は今後の整備方針について同懇話会の委員に意見を求めている。
 宮城県は今後の最終処分場のあり方について、処分場を運営する民間事業者や収集業者、市町村などに調査を行った。クリーンプラザみやぎの満杯時期が近付いていることを踏まえ、公共機関が最終処分場の建設に関与することの是非を尋ねた。その結果、35市町村のうち32市町村は、公共機関が建設に関与する必要があると回答した。民間事業者らへの調査でも、同様の回答が大勢を占めた。
 その理由には▽不法投棄や不適正処理につながらない安心感がある▽災害発生時のがれき処理など、災害対応の受け入れ先が必要▽処理料金が民間処分場より安価──などが挙げられた。
 これらの意見を踏まえ宮城県は、引き続き県が責任を持って最終処分場の整備に関与していく必要があるとの見解を示した。懇話会の委員らも宮城県の意向に賛同し、県が最終処分場の建設を推進していくことを支持した。
 宮城県は最終処分場を建設する場合に付加する機能として、埋め立て前に焼却や破砕、選別などを行う中間処理施設の付帯や、処理場を一般開放して環境学習やリサイクルの啓発につなげる情報発信機能の付帯などを挙げた。
 同懇話会は次回、5月中旬に開かれる予定。整備する処分場の規模や付加する機能などについて、さらに議論していく方針。
県会議190215_産廃処分場のあり方検討会_表a

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.