消化槽設置3年40億円 19年度予算 医療センターは設計準備(船橋市)

[2019/2/14 千葉版]
 船橋市(松戸徹市長)は13日の会見で、2019年度当初予算案を明らかにした。15日に開会予定の市議会定例会に提出する。一般会計は、前年度比2・0%(42億1,000万円)増の総額2,121億6,000万円。特別6会計と企業3会計を合わせた市全体の支出規模は3,704億2,172万円で、同0・5%増とする。主なものでは、高瀬下水処理場への消化槽設置事業に、3カ年総額40億2,600万円の継続費を設定する。

 一般会計に占める普通建設事業費は、247億1,325万円(補助事業122億3,668万円、単独事業124億7,657万円)で、前年度比8・9%の減。3カ年継続事業の塚田第二小学校(仮称)の建設事業が2カ年目を迎えることや、老人福祉施設整備費補助金などが増加する一方、東消防署古和釜分署(仮称)・消防訓練場整備事業が完了するなどするため、減額となっている。

 市では行財政改革に向け▽業務改善による事務執行の効率化▽民間活力の積極的採用▽事業の精査と見直し▽普通建設事業の精査と見直し▽受益者負担の見直し▽安定的な財政運営のための歳入確保──の6つを柱にしたとしている。

 主な事業についてみると、高瀬下水処理場への消化槽設置事業には、19年度分として4,100万円を計上。再生可能(バイオマス)エネルギーの活用に向け、処理場で発生するガスを利用した発電事業を計画。汚泥消化施設をDB方式、発電施設を民設民営方式で整備する考えで、4月下旬にも公募型プロポーザルによる要項を公表し、12月の優先交渉者決定を目指すとしている。

 市ではこのため、先に実施方針案と要求水準書案を公表した。ガスによる発電事業は西浦下水処理場で先行しており、事業者に特定された西原環境(東京都港区)がプラントを建設、今年4月から発電事業を開始する。

 「メディカルタウン構想」に基づき、海老川上流地区への移転改築が検討されている医療センターについては、設備など設計条件の整理のほか、敷地の利用計画の作成など、20年度の基本設計に向けた準備を進めるため、2,291万円を計上。基本計画の策定はアイテック(東京都中央区)が担当しており、新病院は現状から増床し505床規模とする考えなどが示されている。

 関連して、業務代行事業者の選考を進めている海老川上流地区土地区画整理事業(仮称)については、環境影響調査を進める。施行面積は約42・5haで計画しており、予定区域外となった区域(まちづくり手法検討区域)についてもまちづくり基本構想の策定を予定。これらに合わせて2,812万円の確保を図る。

 先に市有地約4・5haの活用に向けた実施方針が示されたJR南船橋駅南口については、1,362万円を計上。19年度は事業者の公募・選定を予定する。市有地はA~Eの5街区に分けた上で、Eを除く街区に集合住宅や商業施設、広場、道路などを整備する。プロポーザルは来月にも開始する予定で、10月ごろの事業者選定を目指す。

 複数年事業をみると19年度は、20年4月の稼働開始を予定するDBO方式による南部清掃工場の建設費として117億1,626万円、塚田第二小と放課後ルームの整備には、8億7,384万円をそれぞれ投じる。

 新規の事業では、津波避難計画の改定に900万円、洪水ハザードマップの改定に363万円をそれぞれ計上。21年度にスタートする環境基本計画の策定にも900万円を充てるほか、災害廃棄物処理計画(仮称)の策定にも450万円を盛り込んだ。

 また、21年度中の国史跡指定を目指す取掛西貝塚の保存・整備にに向け、申請が必要な報告書の作成へ3,741万円を予算化する。

 建設関連では、都市計画道路の整備を東海神駅周辺で進めるほか、高根台中学校や習志野駅周辺で用地取得を図るため9億6,791万円、西船橋駅第10自転車等駐車場の整備に2億6,325万円、馬込霊園アクセス道路の整備に5,000万円、特別支援学校金堀校舎の増築に5億4,307万円、大穴近隣公園の整備に8,000万円、駒込川の改修に1億3,921万円、習志野台7丁目への雨水貯留浸透施設の整備に2,100万円などの確保を図る。

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