総合評価でICTを加点 4月から「生産性向上」の項目追加(宮城県)
[2019/2/7 宮城版]
宮城県公共工事等入札・契約適正化委員会(会長・玉山直美弁護士)が2月6日、宮城県庁内で開かれた。建設現場へのICT(情報通信技術)が進む中、宮城県は4月から総合評価の項目に「生産性向上」を追加する方針を明らかにした。施工の各プロセスにおいて、ICTの活用数に応じて最高2点を加点する方針だ。
人手不足対策や作業の効率化に関し、建設業界ではICTの導入が積極的に取り組まれている。これまで県発注工事では正式な評価項目ではなかったICTの活用が、新たに評価項目に加わる。
総合評価を適用する一般競争入札において、入札参加者が総合評価技術資料を提出する時、4月からはICT施工や3次元化などの技術を提案する「工事計画書」を提出することになる。
施工のプロセスで想定されるICTの活用は▽3次元起工測量▽3次元設計データ作成▽ICT建機による施工▽3次元出来形管理▽3次元データでの納品──など。
評価基準と評価点は、工事計画書の施工プロセスでICTを1~2つ活用する場合は0.5点。3~4つを活用する場合は1点。施工プロセスをすべてICTで行う場合は2点を加点する。
一般土木工事の総合評価で標準型(施工計画型)を適用する場合、現行では技術力、社会性、地域性、施工計画等が評価され、価格以外の評価点は最高42.5点となっている。4月からはこれに「生産性向上」が加わり、最高44.5点に変わる。
工事費の積算に関しては、当面は従来工法で積算する。実施したICTの技術は、設計変更の対象とする。ICTの活用は工事完了時に確認する。当初、申告していた評価基準の範囲を下回った場合は減点する。申告通りにICTを活用しても、工事成績考査では加点しない。
工事計画書になかったICTを履行した時は、施工計画等・技術提案で申告した場合に加点の対象とする。