6月めどに解体から 新庁舎整備 5階建延べ5000平方m(柏市水道部)
[2019/1/31 千葉版]
柏市水道部による、同部庁舎(千代田1-2-32)の建て替え工程などが明らかになった。現在地で建て替えられる予定の新たな庁舎は、RC造5階建て延べ約5,010平方m(建築面積1,390平方m)の構造・規模で計画。横河建築設計事務所(東京都品川区)が進めている実施設計は2018年度中にもまとまる見通しで、同部では19年6月にも第1期の解体工事に着手するとともに、同年度中期には約16カ月の工期で新庁舎の建築に着工。21年度の供用開始を目指す。
同部庁舎は1970年の完成で、2度の増築を経ている。2002年に実施した耐震診断によって、目標値を満足しないと判定されたほか、老朽化の進行などに伴い抜本的な改善策が必要となっていた。このため同部では、17年4月に同部庁舎再整備基本計画をまとめ、災害に強い水道事業運営拠点への再整備を図るための考え方を整理。同9月には基本・実施設計者の特定に至った。
第1期の解体工事では、既存庁舎で通常業務を行いながら、大会議室などその他の建物を解体。跡地に新庁舎を建設する。完成・機能移転後の21年度には、第2期の解体工事として既存庁舎の解体のほか、外構や貯留槽の整備工事などを進めるとしている。
整備に当たっては新庁舎のほか、S造平屋の給水車車庫(延べ約115平方m)も新築。新庁舎は1階に「お客様窓口」(料金センター)を配置するほか、2階には工事系部門の事務室、3階は管理・総務系部門事務室、4階に会議室・文書保管庫を配置するほか、屋上には太陽光発電設備や屋上緑化、その他の設備類を置く考えでいる。庁舎の最高高さには22・9mを見込んでいる。
設計に当たっての基本方針には、高い耐震性能を備えた災害対策の拠点(ノンダウン庁舎)になるものとし、応急給水に必要な設備も備えさせ、省エネまたは創エネなどの環境にも配慮、地域との調和や景観にも配慮した庁舎にするとしていた。
完成後50年近くが経過し、災害に強い事業経営拠点へのリニューアルを図る同事業では、建て替え後の新庁舎では、下水道関連の部署とも組織を統合し、上下水道全般の業務を扱う予定で、市によると利用者のサービスや業務効率の向上が見込めるとしている
敷地内には、一般用17台分を含む60台分の駐車場や、42台分の駐輪場を設ける。庁舎のファサードとなる北および東側の壁面は、サスティナブルフレームを生かして壁面緑化を図るなど、地域のランドマークとなるようグリーンな庁舎とする計画。一方で長時間の日射が期待できる南および西側の壁面には太陽光パネルを設置、環境先進性をアピールする象徴的なデザインとする考えだ。
これらのほか、東側の道路沿いには歩道と敷地の一部を自由に回遊できる並木道を整備。ユニバーサルデザインの採用や、職員がミーティングや休憩も可能なラウンジの設置も計画されるなどしている。