短大移転で都市計画 敬愛大学の稲毛キャンパス再整備(千葉市)

[2019/1/30 千葉版]

 千葉市の都市計画審議会(会長・北原理雄千葉大学名誉教授)が29日、市庁舎内で開かれ、2議案が審議された。先にパブリックコメントを実施した市の立地適正化計画とともに、稲毛区の千葉敬愛学園稲毛キャンパス地区の都市計画地区計画の決定についての審議では、佐倉市にある千葉敬愛短期大学の、稲毛キャンパスへの移転に伴い、建築物の高さの最高限度を45mとすることなどを盛り込んだ都市計画が報告されるなどした。同大学では2024~25年ごろの移転・再整備を目指しているという。

 「千葉敬愛学園稲毛キャンパス地区地区計画」は、千葉市稲毛区穴川1丁目の一部約3・4haを対象とするもの。同地区はJR総武線稲毛駅の東約1kmに位置し、同大学の教育・研究施設や敬愛学園高校、グラウンドなどからなるキャンパスが立地している。

 今回は千葉敬愛短期大学の稲毛キャンパスへの移転に伴い、大学・短大・学園高校からなる「総合学園」としての魅力を高めるキャンパスの再整備を図るため、学生の多様な活動を創出する屋外スペースを確保しつつ、学園の教育・研究施設の集約化と高度利用化を進めることにより「文教のまち」にふさわしい土地利用の誘導と周辺の居住環境に配慮した市街地の形成を図るとした。

 地区計画の決定について市は、その理由として、同地区が学園の教育・研究機能の集約化と高度利用化を進めることで「文教のまち」にふさわしい土地利用の誘導と、周辺の居住環境に配慮した市街地形成を図るためとしている。

 土地利用については▽大学・短大地区▽学園高校地区▽スポーツ地区▽低層地区──に分類。総合学園として教育研究施設を集約し、機能向上を図るため、大学・短大地区(約1・4ha)では、教育研究施設の集約化と高度利用を図る区域とし、大学の施設を主体に、屋外スペースを確保した上で、高層の建築物を配置するとした。

 学園高校地区(約0・6ha)は、高校の教育施設の集約化を図る区域とし、教育施設を主体に中層の建築物を配置。スポーツ地区(約1・3ha)は大学・短大・学園高校の運動施設の集約化を図る区域とし、運動施設を主体に中層の建築物を配置。低層地区(約0・1ha)は周辺の住環境と調和のとれた市街地の形成を図るための区域とし、壁面後退による開放的な空間を確保した上で、低層の建築物を配置するとした。

 用途制限として、建築できる建物については「学校、図書館その他これらに類するもの」「事務所」(その用途に供する部分が6階以下であるものに限る)「その建築物に付属するもの」とし、共同住宅や寄宿舎あるいは下宿、老人ホームや保育所、福祉ホームその他に類するものなども認めるとしている。

立地適正化計画も審議

 都市計画審議会では、集約型の都市構造を目指すことを目的とした「立地適正化計画」も、諮問事項として審議された。基本理念には「誰もが気軽にお出かけ“ちばのまち”」~充実する公共交通と便利なまち~を掲げ、生活の利便性が維持できるエリアへの居住促進や、拠点への都市機能の集約、郊外の無秩序な開発の抑制を基本方針とし、都心として「千葉都心」「蘇我副都心」「幕張副都心」の3カ所を位置付ける。

 また、重要地域拠点として幕張駅と稲毛駅、鎌取駅、都賀駅の4カ所を設定するとともに、地域拠点として幕張本郷駅、新検見川駅、西千葉駅、検見川浜駅、稲毛海岸駅、千城台駅、浜野駅、誉田駅、土気駅の9カ所を位置付け。このほか連携地域拠点としてこてはし台団地や花見川団地、さつきが丘団地、あやめ台団地、大宮台団地の5カ所を設定する。

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