10カ年で240億円概算 県住長寿命化計画の改定案(県住宅課)

[2019/1/29 千葉版]
 県土整備部住宅課による県県営住宅長寿命化計画の改定案が28日、明らかになった。2月28日までパブリックコメント手続きによる意見を募集する。2027年度までの10カ年を期間とするもので、対象となるのは全県営住宅1万9,481戸。10カ年で1,261戸を用途廃止とする一方、531戸を建設するなどし、計画完了時には管理戸数を1万8,751戸とするとともに、およそ20年後の40年には、約1万7,600戸まで削減するなどとしており、計画期間内の建て替えや用途廃止、改修に約240億円を概算している。

 県営住宅は▽千葉地域9,574戸▽東葛・葛南地域4,541戸▽北総地域2,504戸▽香取・海匝・山武地域1,083戸▽長生・夷隅地域322戸▽安房・君津地域1,457戸──と、千葉地域が全体の約半数を占めている。

 一方で一般世帯数にみる公営住宅の割合では、東葛・葛南地域で0・9%と、県平均(1・6%)より低い。建設年度別では1970~79年度の10カ年で9,119戸が建設されるなどしており、耐用年限(準耐火構造で45年)では、2043年をピークに35~46年に毎年600戸以上が耐用年限に至るとした。

 県では長寿命化に関する基本方針として、耐火構造で70年という耐用年限までの使用を基本に、土地を新たに取得しての県営住宅を建設することは計画期間内には実施しないとし、高齢社会に対応した供給を進めるとともに、ストックの状況把握に努力。点検・診断に基づく予防保全による修繕・改修を実施し、ライフサイクルコスト(LCC)の縮減に努める。

 改修による長寿命化が可能な団地として県は▽東葛・葛南地域など需要の高い地域に立地▽一定以上の規模(100戸以上)で、管理の効率性や土地の高度利用の可能性がある▽県有地に立地する──を「継続して維持管理する団地」とし、これ以外は中長期のストック保有の目標を踏まえて「将来的に集約化を検討する団地」に設定する。これらの団地についても、原則として耐用年限までは活用するため、必要な改修は実施する。

 一方で耐用年限を経過した団地や、劣化が進行し改修が困難な団地は、建て替えまたは用途廃止とし、中長期のストック保有目標と今後の耐用年限経過時期や需要の動向を踏まえ、特に東葛・葛南地域において計画的な建設事業を進めるとした。

 具体的には▽住戸改善(13団地64棟1,638戸)▽外壁改修(29団地142棟4,294戸)▽屋上断熱防水改修(35団地181棟4,557戸)▽屋外給水施設改修(23団地168棟4,532戸)▽エレベーター改修(21基1,048戸)──を予定。国府台住宅では第1期78戸の建設が19年度で完了見込みな一方、第2期64戸の建設を計画。実籾住宅は敷地の一部が国有地であることから返還が可能なように計画を見直し。金ケ作県営住宅は民営による併設を見送り、第2期56戸の建設を図る。

 このほか、鎌ケ谷四本椚住宅は第2期94戸の建設、佐津間住宅(仮称)も第2期57戸の建設を計画する。

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